ミシンはおもしろい。
とうとう自分の好奇心はもバックパックをMYOGすることに向いてきた。
ハイキングでいえば最も基本的で、かつ、革新的なギアかもしれない。
MYOG_01(■)Stuffsack/Wallet/Card
MYOG_02(■)Seat/Tarp/Etc.
MYOG_03(■)Packing Gear
【MYOG_Packing Gear_01_Day】
2015年11月。
初めてMYOGしたザックはこれ。
黒のタイベックを使ったもの。
仮に「MYOG_Packing Gear_01_Day」とする。
奥多摩用に作ったのだ。
これを作った時は本当にわくわくした。
徹夜で作ってもっていったんだっけな。
自分の持っているザックの縫われ方をつぶさにみたり、
パネルの構成のされ方を観察したり、ショルダーパッドのつくり方、
ハーネスの取付方、口の締め方、背面ネット、素材、糸、etc.etc....
ネットでみてもバックパックのつくり方なんてあるわけもなく、全ては想像するしかなかった。。
考えることはいくらでもあったけど、やると決めたらやるしかない。
仕様としては15-20ℓ程度のデイハイク仕様。
Zimmerbuilt を使ってる人にはたぶん理解してもらえると思う。
あれは公称25ℓという話だがおそらくもっと収納力があり、
1泊2日でも既に大きく感じてしまっているのだ。
Andwonderの20ℓデイパックもいいけど、
できればもっと拡張性できるようにしたいしで、
今回はひとまわり小さくして台形型にした。
背面長さも短くして、バックパックの重心を高くすることにより、
腰まわりをスッキリさせて自由にする。
上部にはクルクル巻ける吹き流しをつけて
背面ネットは仕切りのないガマグチを控え目に取り付ける。
自分的にはいいとこ取りの欲張りザック。
これこそMYOGの醍醐味。
これをもって山を歩くことができるなんてホントにわくわくした!
ま、とは言いつつも初めてのMYOGザック。
焦って作った割には使えたが、さすがに悲劇が訪れる。。。
ハーネスの付け根が裂けてしまったのだ。。。
その部分はコストを抑えるためによく使われる素材をやめて防水生地なら良いと、
ケチってしまったのだ。
そして、久々のメンバーとの宴会キャンプでの酒の量について若干不安になり、
バックパックには既に水500ml、ビール350ml×5本があったのに加え、
コンビニで日本酒360ml、水1ℓ、コーラ500mlを既にパンパンのバックパックに押し込み、
歩いていて、もう少しきつくしたくて、さらにハーネスをぎゅうぎゅうと締めこんだのだ。
付け根がサヨーナラーw
約10~12ℓの過積載+過緊張というところか。。
ま、そもそも、こういうことを想定して力の大きくかかるところは縫わなくてはいけないはず。
それをしなかっただけのことなのでしょうがない。
その後はカラビナで難を逃れたが少し反省。
と、まぁ残念な結果ではあったが家に戻って無事縫い直して壁にかかっている。w
今から考えると作り方も無茶だったし雑だったw
それでもわくわくする夢はあったけど。
今では使う機会がなくなったが、初めてつくったバックパックで捨てることができない。。
【MYOG_Packing Gear_02_Trail】
2016年1月。
【MYOG_Packing Gear_01_Day】が残念なことになり、創作意欲が若干薄れていた。
この時期、結構本気で走っていた時期でトレランのベストを買おうか悩んでいた。
というのも、Mt.Fabsの忘年会で「信越五岳に出るだろ?」
みたいな話になってしまい、「が、がんばります。。」と。
その時、確かに自分はランギアのベスト的なものがないなーっと。
ラン専用ベストも確かにいいんだろうけど、
でも、なんかもっと、普段でも使えるものはないかと探していたのだ。
僕はアウトドアギアは可能な限り普段も使えるものを選びたいという貧乏性だw
ちなみに、OMM Phantom20を持ってはいたが、レースで使うには少し大きいなと感じていたとこ。
なんなら作ってみるか?
もし、MYOGザックで信越五岳完走できたら最高じゃないか??
なんて軽いノリでどんなのがいいか考え始めた。
ちなみに、まだエントリーすらしていないが信越五岳110kなんて
とてもじゃないけど完走できない気がしている。。。
仕様としては
今回は上部をチャックタイプにして8-12ℓくらいにしてこじんまりザックを目指した。
もしかしたら、デイハイクくらいならいけそう。
見ての通りガマグチネットは健在。
このネットはホントお気に入りでガサガサ入れればいいので重宝している。
実はずっとAnswer4が欲しかったけど、
街ランやレースにMYOGパックを担いで走ったら楽しそーとも思っていた。
ずっと出番を待っていたデッドストックのドクロちゃんワッペン貼って出来上がり。
もし、レースで歩いてるドクロちゃん見かけたら、
「走れよっ!」って喝入れてください。w
大好きなシルクスクリーンも、盛大に大失敗したのでワッペン状にして貼った。
これはなかなかいいかも。
うれしかったのはトレイルランナーであり、トレーナーの
「ちゃんぷさん」に正月のフットサルでお会いし、
「かっこいいね。サンプルでもいいから作ってよ」と言われたこと。
これは嬉しかった。
今はまだマシにはなったが、この当時はまだ自分の縫製には自信がなかった。
今なら使ってもらって感想を聞きたい気もする。
【MYOG_Packing Gear_03_Winter】
2016年2月。
これは尾瀬に行くときに40-50ℓ程度の冬仕様に耐えられるザックが欲しかった。
正月から含めて、あまりに山に行けな過ぎて衝動的に徹夜縫いしたもの。
またやはり徹夜。。w
糸の材料を間違えて、切れやすく、なくなったりいろいろとトラブルがあったのだけど
ギリギリタイムで無事に完成。
酒2.2キロ水2.5キロ飯3.0キロ他6.5キロ=計14.2キロ
心配になってもう一度夜中に補強縫いしておいた。
今回は見た目は《01_Day》,《02_Trail》と同じように見えるかもしれないが、
大きく変わった点は背面パネルの構成の仕方。
分割構成にすることで側面に留めベルトを取付けることができ、
写真にはないが側面ベルトを背面に回してスノーシューを取付けることも可能。
重量もベルトとガマグチで受けることができるのでスノーシューを落としてしまう心配はなし。
ガマグチも、マチをいつもより多くして大きく開くようにした。
そして、ガマグチの引っ張り点を中央1ヶ所ではなく、横面2ヶ所にして引っ張っている
これはアイデアは良さそうだが、位置的に背面にバンジーが多くなり、若干修正したいところ。
上部は吹き流しを30㎝ほど取り、荷物が膨らんでも対応できるようにした。
その吹き流しの止め方は「HMG方式(と、勝手に読んでいるw)」として
サイドで固定できるようにしてある。
こうすることで吹き流しが緩むこともないし、形がずっときれいな状態にしておける。
もちろん上部の固定ベルトも健在。
そして、このハイクでは使用できなかったが腰ベルトの追加。
これで15キロの重量もだいぶ分散して背負えるようになる。
右は「山と道Three」、左は「トレイルバムSteady」で
ほぼ同じか少し大きいくらいの容量だった気がする。
【MYOG_Packing Gear_04_1Day】
2016年3月。
奥多摩へ「The GDGDHIKERS」でいく時の為に作った。
既にバックパック製作は4つ目になっていて《01_Day》の縫製の粗さが目に付くようになり、
気に入ってはいるのだけど、
「使いたい」とまではいかない悶々とした状態。
そこで同じようなサイズのダイニーマを使ったザックを作ることにした。
もちろん、《01_Day》と比べればいろいろなところをアップデートした全然別のモデルになっている。
仕様は20ℓを目安としたDAY~1DAY仕様。
写真は徹夜で(またか!w)出る直前まで縫っていたできたてほやほや。
バンジーなんかは電車の中で通したくらいw
UH(Bianks)神山さんのシルクスクリーンを入れたくて生地のままに剃ってもらった。
前回作った40ℓ冬仕様とは違いギミックは少しシンプルにしてある。
ロールトップは左右でパチンタイプ。(HMG方式w)
そして、安定の正面ガマグチ。
1Dayの場合大きなものは必要ないと思っているので容量も少なめにし、
高さも少し押え目にもしてある。
背面長さを少し短くして腰ではなく背中に沿う感じで背負える。
そのため、腰ベルトも取付けることをしなかった。
時間が無くてロールトップの固定テープやガマグチ引っ張りのギミックを忘れてた。
これらは、後に追加して修正した。
ガマグチの固定は少し面白いパーツを入手したのでそれを使った固定にしてある。
上の写真はロールトップの固定ベルトや、
ガマグチ引っ張りのギミックを修正したもの。
このおかげで、上部にウェアを挟んだり、
ガマグチが必要以上に垂れたりしなくなって結構具合がいい。
今後はこれくらいの容量のバックパックがメインとなるかも知れない。
大体はこれで必要なBackpackは一揃いという感じかな?
もちろんまた作りたくなる可能性はあるけどね。
【MYOG_Packing Gear_05_Tote】
2016年4月。
今年に入ってから仲間には話をしていたのだが軽量なエコバッグ(トートバッグ)が作りたかった。
いくつかサンプルを作ってみたけど、なかなか大きさが決まらなかったのだ。
トートバッグというと、世の中には腐るほどあって、
なんというか、大きな差別化はできない気がしていた。
つい最近まで何が自分にとって嬉しいのかがわからなかった。
MYOGなんでそれが一番重要なんだよね。w
動機とコンセプトはこんな感じ。
「チャリ乗って毎度必ず6本のビールを買いに行くのだけど、
ずっっと、軽くて小さくなってすぐ取り出せるようなナイスなトートが欲しかった。
ビールを入れた破れそうになるダサいビニールが嫌。
焚火キャンプで、コンビニで買った追加食材を入れたビニールが嫌。
Farmer'sMarketで新鮮野菜を買った時のビニールが嫌。
トレイルレースの時の帰りでの、汚れたシューズと着替えを入れたビニールが嫌。
とにかくあの、コンビニエンスを象徴する無料当たり前のビニールをもう持ちたくない。
軽くていつでも取り出せてビジネスでも違和感なく使えるものはのはないのか?」
重さ130g。2way。サイズ420㎜×280㎜×130㎜。
ペラペラのエコバッグ程軽いわけじゃないけど、
持てないような重さじゃないし、ダイニーマ生地は十分丈夫。
もちろん生地をX-Pacに替えれば、
もう少しぱりっとしてビジネスでも違和感ないんじゃないかと思う。
底は厚めの防水生地なので、ところ構わず地面に置ける。
奥行は薄めの130㎜×横長サイズ420㎜は
ビールを6本寝かせてピッタリ。
立てれば12本ピッタリ。
高さ280㎜は2ℓのペットボトルを立てておおよそピッタリ。
耐荷重は350ml×12本+αてことで約5㎏くらい。
使っている実感からはもう少し入れておける気はするが、まぁ妥当な気もする。
それ以上の重量に耐えるエコバッグというのも必要ないような気もするし。。
片側には新鮮野菜や、イヤホン、携帯など細々したものを突っ込めるガマグチ付き。
ニンジンやズッキーニやジャガイモなんかも入れてしまえばいい。
今回使用している生地はダイニーマなので焚火の枝集め袋にしてしまってもいいと思う。
留めやストラップ受けなどには非常に軽量というわけではないが
初めて使うパーツがいくつかあってワクワクした。
なかなかおもしろいギミックになったと思う。
左右のガマグチの端部のバンジーを引っぱると、中央のパーツがそれを受ける仕組み。
そのおかげで片側づつガマグチの口を絞ることができるようになる。
それと共に中央のパーツには留めかけできるようになっていて、
バンジーを使ってバッグの口を閉じることができる役割も果たす構造。
このパーツは初めて見た。
使っているギアも見たことない。
もちろん、サイフや鍵をひっかけておくストラップ的なものも取付けてある。
これは取り外してカラビナに変更するのもアリかも。
しかし、エコバッグという性格上、可能な限り軽量に仕上げたくて
内部にポケットはつけなかった。
トート(エコバッグ)としても使えるように、
ショルダーストラップは取外し可能。
最近は、毎日外出時には使っているのだけど、
チャリで使っても徒歩で使っても今のところほぼストレスはない。
まぁ、作り立てなので贔屓目120%くらいというのは否めないが。w
少しづつアップデートもできているのでますます愛着湧いてくる。
もし欲しがる人がいるのなら、
これなら人に提供してもいいかもとぼんやり思えてきた。w
3回に分けたMYOGだったがピンと来るものはありましたかね?
ほぼ自己満足のものなだけに、文章書いていて
「この文章はなんの為のPostなんだ?」という疑念が渦巻きまくってはいますがね。。
こんなもん興味深く読む人がいるのかわからないが、
何人かは興味を持ってくれることを願って。
少なくとも自分の中でMYOGを縦断的に文章と写真でまとめることができて、
少しプロセスや思考回路も整理できてきたというのはあったかも。
また作りたまったら、まとめてみよう。
まぁ、要するにお伝えしたいことは、
僕にもできるのだからあなたもできるだろうということなんです。
「ハードルは思ったより低く、感激は思ったより大きい。」
へたくそでもいいから作ってみればいい。
僕はいつかBackpackを作りたいと思っていた時に、
この人のこの言葉にシビレタ。
『 もし他のヤツが何このバックパック背負いにくいね、なんて言われたらこう言ってやんな!
「あ、ごめん、それ俺専用だから。俺以外は背負いにくいかもね」 』
ま、それから半年くらいはミシンを買おうか迷ってたんだけどw
この感覚はすごくわかるし正直MYOGする人はこのマインドなのだ。w
そして、自分の道具で山を歩けばとても楽しいよということも知ってほしい。
気になっていた方、ピンときた方は是非試してみるといいと思う。
MYOG_01(■)Stuffsack/Wallet/Card
MYOG_02(■)Seat/Tarp/Etc.
MYOG_03(■)Packing Gear