念願の雪の谷川岳へ行ってきた。
2月。
今年の冬はどうしても谷川岳へ行ってみたかった。
去年は揃えることができなかった冬装備もそれなりに揃ってきたし、
まだ雪中テント泊を今年はやっていなかった。
何より今年はまだ山に行けていなかったのだ。
そこへぽっかりと晴れ予報。
これは行くしかないでしょう。
ザックはKS.ULgear。こいつは見た目よりかなり荷物が入って重宝している。
雪山装備の一つスーパーカンジキの能力をやっと確認できる。w
パープルの袋は酒と食料。
ザックの重さは恐らく13キロ程度はあったかな。w
都内からは土合まで新幹線と上越線を乗り継いで約3時間。
夏ならバスなりと出ていそうなもんだが、この真冬じゃ仕方ない。
土合には9:00過ぎに到着。
土合から土合口まではバスで行くことにした。
土合口から天神平までは今度はロープウェイに乗継ぐ。
使えるものは何でも使ってしまおう!文明の利器、万歳w
ようやくハイクアップとなったのは10:30くらいかな?
ずいぶんなノンビリさんだ。
それにしても天気がよい。
あとから聞いた話だと、こんなに条件の良かった日はほとんどなかったらしい。
風もなく、快晴の中雪の反射が眩しい。
山を縁取る青と白の境界線がくっきり見えて美しい。
ハゲ散らかしたおっさんの産毛の様な樹木ですらキラキラ光って見える。(表現が悪いか。。w)
普段は風に舞っているであろう雪がとても静かに雪面をつくっている。
何度も何度も立ち止まっては、同じ様な、それでいて違うアングルの写真を撮ってしまう。
何回も何回も「あぁ、最高。」とつぶやいてしまう。
熊穴沢避難小屋を過ぎても意外と人は多い。
スーパーカンジキの調子も特に問題なく快適に登れる。
途中ではバックカントリーでスノボをする人や、雪洞を掘る人にも出会った。
雪山には僕がやったことのない遊びを楽しんでいる人たちが多くいた。
あまり知識はないが中ゴー尾根や万太郎山の方向。
ほれぼれする様な青と白の稜線。
避難小屋を超えてしまえばあと1時間くらいで谷川岳肩の小屋に到着だ。
スーパーカンジキを履いているとはいえ、新雪部分には足をとられる。
先行者の踏み跡を辿るのが楽チンで良い。
このあたりで11:30か12:00くらいだろうか?
先へ歩を進めようと上を見上げると、
前方から、明らかに今まですれ違ったハイカーとは違う出で立ちのハイカーに出会う。
ここまではほとんど挨拶以外は誰とも話していなかったので、
「いいジャケット着ていますねぇ〜」と話しかけてしまった。
Tetonbrossのジャケットは僕が狙っていたが、e-vent製で高額なため
なかなか手が出せなかった代物。話を聞けばかなりマニアックでコアなULハイカーだった。
ほうほう。
いるとこにはいるもんだね。
嬉しくなって30分くらいは立ち話をしてしまったかな。
彼はこのまま帰るそうで、インスタを交換してさよならした。
彼とはまたどこかで会えるかもしれない。
山でのこんな出会いはかなりうれしい。
空気が澄んでいるため遥か先まで見渡せる。
風はない。最高だ。
ゆっくりと歩こう。
こちらが谷川岳肩の小屋。とエビのしっぽ。
もう、肩の小屋は雪に埋もれてしまい原型が分からない。
中をのぞくと小屋の中にテントを張ってるマナーの悪いヤツがいた。
避難小屋であることからそんなことする必要もないのに。。
今日の昼飯はカップ麺。
そしてビール休憩。
最高の景色を臨みながらの昼飯なんてホントこの遊びをしていて良かったと思える瞬間。
昼飯を食べ終えたら肩の小屋近くにテントを張る場所を確保して、
トマの耳を目指す。
目指すと言っても30分もかからず到着できる場所だけど。
15:00をまわりそうな時間のため景色は快晴から
墨絵の様な奥行きのある深い景色へと変化していく。
何度も言うが、風もなく本当に奇跡の様な1日だ。
来てみて良かった。
風によってできた模様のことを風紋というらしい。
とても美しい。
近くで見ると砂漠の砂のようだ。
風紋からもわかるように風が荒れ狂うとすさまじいことになりそうだ。
今からするとそれをモロに食らうとは。。。
今回もシングルウォールのLocus gear Khufuでテント泊だ。
一昨年の赤岳鉱泉-15℃を経験してからはダブルウォールの必要性をあまり感じなくなってきた。
寒いときはどちらも同じように寒い。
できればシュラフとジャケット、パンツが暖かければ十分という考えに落ち着いてきた。
17:00を過ぎる頃には蒼い夜がやってきた。
避難小屋には数人が止まっていたみたい。
稜線でのテント泊は自分だけ。
ひとりぼちのテント泊ではあるが、この景色の中眠れるなんてなんて素晴らしいんだ。
と考えて稜線に張ってみたが、
夜中にはものすごい風でテントが吹き飛ぶのではないかと思うくらいの風に見舞われた。
Khufuは8カ所をペグダウンしてあれば、吹き飛ばないことがわかった。
こつとしてはペグを横向きに雪の中へ入れて踏み固めるというもの。
これで十分な強度が出る。
雪山の恐ろしい一面を垣間みながらも静かな朝を迎えてコーヒーを飲んで目を覚ます。
あとはもと来た道を同じように辿りビールを飲みながら今回の素敵な旅を振り返りつつ眠っていった。
今年はまだ始まったばかりだけど、
もしかしたら今季最高の山旅になってしまうかもしれない。