3月。
赤岳鉱泉で念願のアイスクライミングをしてきた。
今回のルート。
美濃戸口~赤岳〜美濃戸山荘~北沢コース~赤岳鉱泉
赤岳鉱泉より先へ行こうかと思ったが、時間的に難しそうなので1泊2日で
美濃戸口⇔赤岳鉱泉のピストンにしてゆっくりすることにした。
1日目。
八ヶ岳の美濃戸口へは東京から電車で茅野駅へ。
茅野駅からバスを乗り継いで美濃戸口まで1時間程揺られて到着する。
10:30ほどで美濃戸口へ到着。
もうすぐ春だというのに、来る途中でも雪がどんどん深くなり、わくわくした。
実は雪山で1泊するのは初なのである。アイゼンも新品。
シュラフはモンベル#3というナメた装備しかなく、かなり不安大だ。
とうとう雪山へ!そして、天気は快晴!
春近し、とはいえ既に暑い。ジャケットも必要なく、ロンT一枚でちょうどいいくらい。
スノボしてる人も半袖でやる人もいるくらいだしね。
アイゼンは新調したはいいものの、この調子なら必要ないくらい。
道は八ヶ岳の入り口ということもあって、踏み跡多数で迷うことなどなにもない。
美しい林道を進んでいく。
道中から見える横岳?北横岳?だろうか。
天候も安定しているようでとてもくっきり見える。
雲もなく、風もない。
素敵なコンディションだ。
今回は赤岳鉱泉のピストン旅だけど、いつか雪山へアルパインスタイルで登ってみたい。
いよいよ欲望がクライマーぽくなってきて死が近くなっているような。。
ま、まずは雪のない時期にして徐々に。
空を見上げれば、蒼い空と樹氷のコントラストが。
とても美しい。
美濃戸口から約2.5時間。
写真を撮ったりしてゆっくりと歩いてきたので、そんなにコースタイムは巻けてはいない。
のんびり歩いても着いちゃう距離だから、コースタイムなんか気にせずだらだらと歩く。
そうして開けた場所に出ると、とうとう出たよ。
赤岳鉱泉名物のアイスキャンディー。
最初WEBで「赤岳鉱泉名物のアイスキャンディー」のフレーズを見たときは、
アイスかーって思ったもんだけど、写真を見てびっくり。
しかも、これはスタッフさんが毎日水をかけて育てているんだってね。
そんなのを見ていると、「アイスクライミング体験会」なるものがあって、
1月くらいから毎週末開催されているのを知って、これは参加してみよう!と思ったのである。
なんせ、アイスクライミングなんて一人でできるもんでもないし、
体験してみないと楽しいかどうかもわからないしだから。
13:00過ぎには赤岳鉱泉へ到着。
テント受付をしてテントをさくっと張ってしまう。
雪山は初めてだけど、自立式のハバハバHPなので意外に簡単に張れる。
明日使用するため、道中でアイゼンも装着して登ってみた。
サクッサクッと気持ちよく雪に刺さって滑らない。
足元は重いけどこりゃいいや。
テント張り終わったらビールタイム突入。
風もなく天気もいいのでホントのんびりしてしまう。
つまみはいろいろと持ってきたが今回は干物をセレクト!
雪山でノドグロの干物。w
これはホントビールが進んでたまんなかった!
バーナーにはジェットボイルの下側を装着してみたんだけど、
網の輻射熱でプラスチック部分が溶けてしまい、
ジェットボイルのカップに仕舞えなくなるという残念な結果に。。
まぁ「雪山で干物」という裏テーマも達成できたのでよしとするか。。
16:00くらいになって、せっかくなので小屋の内部を少し探検してみようと小屋へ入ってみた。
小屋の中にはなんともいい匂いが。
スタッフさんは夕食の準備で忙しそうに働いていた。
入ってみてまずびびったのは一人一枚のステーキ。これには参った。。
確かに下界から近いとはいえ、こんなのが食べれるなんて。
赤岳鉱泉の小屋にはいつか泊まりたい!!
ステーキかぁ。。
今日の自分の食事と比べてしまいげんなり。。
ステーキのなんともうまそうなビジュアルにやられてテントに戻ってきた。
外はだんだん夕暮れになり、さっきまでぬくぬくしていたのに、
日が落ちるにつれて急激に寒くなってくる。
夕食のカレーを食べて21:00くらいに就寝。
ところが眠っていると、寒さで目が覚めた。
ん?まだ、1:00。
なんだこの寒さは!!
晩冬の八ヶ岳にはモンベル#3では太刀打ちできないことがわかりました。。
寒い寒い寒い~~!
テント内は-10℃を越えている。
そりゃ寒いわけだ。
持ってきた服を全部着てもまだ寒い。。
うーーー。早く私に太陽を。。
と願いながら朝を待つ。。
長い夜だった。。
2日目。
うー寒いと言いながらコーヒーでもと水袋をもちあげると、???
固い。凍っている。。
そりゃそーだわ。-10℃を越えてんだから。
寒さをこらえて寝袋から出て小屋へ水をもらいに。。
ベーコンエッグを焼いて、カップめん食べてコーヒーをのんでやっと落ち着いた。
さてさて、今日はいよいよアイスクライミングだ。
小屋に8:00に集合して、ハーネスとピッケルを借りる。
アイス用のピッケルは氷をとらえやすくするため若干曲がっているのが特徴。
しかも高いものは7万超えるらしい。。
ひぇ。。
ちなみにこのベニヤは結構な角度でオーバーハングしていて、見た瞬間登れる気がしない。
これは国際競技で使う用だと教えてもらう。
メンバーは15人ほど?
いよいよだ。
スタッフの方に登り方をレクチャーしてもらいピッケルを打ち込み、足を一歩ずつかけてみる。
お、意外に??w
ハーネスにロープをかけて、スタッフが下から声をかけてくれる。
クライミングと同じ要領で腕で登るのではなく、脚で登っていくのだという。
下でスタッフの方がビレイしてくれるので安心して落ちることすらできる。w
ま、簡単にはできないね。
でも、垂直の氷の壁を登っていくのには、なにか迫力があるし、達成感もある。
3回ほど登れば腕はパンパン。
女性の方もチャレンジしていて、スルスルと登ってしまう人もいた。
体重が軽い方がやっぱりアイスでも有利なんだろうな~。
痩せよ。。
アイスと空の間に自分。
コレがやりたかったのだ。
達成感がハンパない。
うれしさ爆発だ!
軽い冬山の洗礼も受けつつそんなことより嬉しさの勝った2日間でした。
アイスクライミングを始めるときに、スタッフから一つお願いをされていた。
「今回のメンバーの中に今日、クライミング中にサプライズプロポーズされる方がいます!」
!!!
「合図をしたときにはみなさんご対応を!」とのこと。
へ~~~。
粋なことするひとがいるもんだね~。
人がプロポーズする瞬間なんてなかなか見ないけど、どきどきするね。
その二人は写真の真ん中の緑ヘルメットの二人。
ドイツの女の子だったかな?
この子は、がんばってもなかなか登れなくて、
時間もたってしまい、最後のひと登りになって時間をかけてようやく登れたのだった。
その間彼女は振り返ることもせず、夢中で登っていた。
旦那さんは、その時を見計らって、もってきた横断幕を広げて待っている。
一緒に体験会に参加した皆さんもそれを手伝っている。
僕はカメラマンでキャンディーの横につけられた階段を上ったり下りたりしながら
振り返る瞬間からカメラにおさめる。
彼女はこの広げられた横断幕をみて、登れた嬉しさなのか、サプライズの演出なのか、
嬉しさのあまり泣き出してしまう。
降りてきた彼女に彼は指輪を渡して「Will you marry me?」だって。
もちろん彼女はうなずいて一同大祝福!!
なんて素敵なプロポーズなの。
こんなサプライズの場に立ち会えてホント良かった!
この場にはハッピーな空気が満ち溢れてた。
いいねー
その幸せの象徴リング。
素敵な時間でした。