5日目。
とうとう栂海新道もラスト1日。
今日歩ききれば、ようやく親不知へ到着だ。
4泊5日で約70キロ。長かった。。
Day1(■)
Day2(■)
Day3(■)
Day4(■)
Day5(■)
SectionA(八方尾根~親不知)(■)
SectionB(八方尾根~上高地)(■)
今日のルートは、
栂海山荘~栂海新道~菊石山~下駒岳~白鳥小屋~坂田峠~尻高山~二本松峠~栂海新道登山口~海!
標高約1600mからダイナミックに標高0m。つまり海まで!
早朝4:30頃目を覚まし、いつもの朝の支度をする。
昨日白鳥小屋へ行こうかどうしようかと迷っていた先行者は、4:00くらいにガサゴソやっていた。
5:00頃に外へ出るとご覧の通りの素晴らしい朝焼けが見れた。
昨日まで雨がぱらついてくる等天気がぱっとしなかったのもあって、
雲海から朝陽が登るようなシチュエーションになったのだろう。
山の上の朝陽は何度みても、そして、どこでみても感動する。
素晴らしかった。
足元は昨日の雨が凍り、完全にアイスバーンとなっていて、滑らせたら危ない状況。
食料も今日の行動食を残すのみとなってだいぶスリムになったザック。
これでココまで来れたのがとても誇らしかった。
因に、足はまだちゃんと痛い。。
昨日の夜におじさんからもらったテーピングがあって若干助かっている。
これは完全に怪我だ。
でも、歩けない程ではないので騙し騙し歩くこととする。
自分の前にソロの人が早めに出て行った後、
6:00過ぎに栂海山荘を出発して、
ふかふかのトレイルをまずは今日のルートで中間地点に位置する白鳥小屋を目指して歩く。
栂海山荘からは基本的には下りとなるため、体力を大きく奪われることはない。
でも、昨日の小雨によって、陰になるところは一部凍結していたり、
細いリッジをロープを手がかりに渡らなければならないところもあったりするため、
気を抜いて歩くとちょっとしたミスでつまらないことになりかねない。
なんせ足だって怪我しちゃっているわけだし。
栂海山荘から出てしばらくすればトレイル上の雪はなくなり、
山肌にはまだ雪が張り付いてるが、季節は既に5月。初春。
白樺が芽吹いていて遠目からでも春を感じさせてくれる。
朝のこういう時間が好きだ。
足下には雨に濡れた名前の分からない花、多数。
雨のあとの植物の生命感あふれる様子がたまらない。
花の名前を憶えたい。
下駒ヶ岳と白鳥小屋との間ら辺に、木を真っ赤に塗って
「でんわ、でんわ、でんわ」と書いてある。
気持ち悪いことするヤツがいるなーと思っていたら、
微妙に携帯の電波が入る。(softbank)
今までほとんど電波がない状態だったので、ちょっと嬉しくなる。
「電話が通じるよ」って意味か。
それにしてもソフトバンクの電波の悪さには嫌になった。
次にiphoneが発売のタイミングに買い替えよう。docomoに。
足を怪我した時に、電波が入らないという危険くらいはできれば避けておきたいと思った。
8:30頃、中間地点の白鳥小屋に到着。
中は覘かなかったけど、こじんまりとしていて良さそうな小屋。
栂海山荘にはいいところに避難小屋があり、縦走者には助かると思う。
何があると言う訳でもないのでさっさとスルーしていく。
白鳥小屋から下ると、そこにはまたスノートレイルが続いていた。
雪はもう慣れたもんだ。
軽くアップダウンはあるが、かなり気持ちよい稜線を歩くことができる。
ここで調子に乗って地図を確認せずに進んでしまった。
山姥平のかなり広い広場に出たあとに雪の上についた先行者の踏み跡を辿っていたら、
いつの間にか踏み跡は途切れ、ルートを見失ってしまっていた。
稜線を歩いていたはずが、谷川にはずれてしまい山姥祠へ向かって雪山を下っていた。。
ここでかなりタイムロスしてしまい、さらに体力も無駄にした。
やはり、こまめに自分の位置を確かめながら歩かなくては。。。
この辺りは金時坂らへんだったかと思うが、こんもりした丘でとにかく気持ち良い場所だった。
ここに来る前に、腹が減って力が出なくて疲れ切っていると、、
親不知側からくるハイカーになぜかおにぎりをもらって助かった。
メチャクチャ美味いおにぎりだったなー。
押しつけがましくない、さりげない優しさが長旅の身にしみた。
10:30頃坂田峠に到着。
坂田峠は一旦車道が横切るため、感覚的にトレイル感を失う。
このあたりからは完全に春山の様子。
樹々はイキイキとして生命力に満ち満ちている。
トレイルの雪は既になくなっている。
歩きやすいことこの上ない。
天気は、昨日の雨曇りから、青い空が戻ってきた。
晴れでゴールできるなんて嬉しい!
尻高山を越えた辺りの林道はとても緑が濃くて
緑の間からの木漏れ日シャワーが気持ちいい。
体は疲れているが春山を存分に味わう。
ゴールはあと少しだ。
入堂山からは海が見えた!!
これかっ!これかっ!
胸のドキドキが高まってきた!心臓の音がうるさいくらい。
あと1時間かそこらだ!!
自然に足取りも早くなる。
完全に下山モードになって、だらだらと標高を下げ続けると、
12:30頃、親不知観光ホテルの見える登山口に到着した。
下界だ。
とうとう!とうとう!
でもゴールはここじゃない。
道路を渡って親不知観光ホテルの駐車場へ入り、その横にある階段を下りていく。
海だ海だ!!
横目に海を見ながら階段を下りていく。
完全に足ががくがくしていて、体が疲れ果てていることがわかる。
とうとう正面に海が。
海抜0mが目の前だ!
噛み締めるように、ゆっくりと海へ向かって階段を下りていく。
なんかの儀式みたいだ。
海を視界にとらえながらゆっくりと。
階段を降りきると、丸くなった石だらけの海岸。
靴を脱ぎ、汚くなった靴下を脱ぎ、石の上を歩く。
土踏まずをこれでもかと刺激してくる。
足をこの5日間水に浸していないのでやけに気持ちよく感じる。
波が打ち寄せる。
やたっ!!歩ききった!!!