2日目。
今日の難関箇所は、不帰キレットに続く三大キレットの八峰キレット越えだろう。
Day1(■)
Day2(■)
Day3(■)
Day4(■)
Day5(■)
Day6(■)
Day7(■)
SectionA(八方尾根~親不知)(■)
SectionB(八方尾根~上高地)(■)
今日のルートは、
唐松頂上山荘(テント場)〜五竜山荘〜五竜岳〜G4〜G5〜八峰キレット〜キレット小屋〜鹿島槍ヶ岳北峰〜南峰〜布引岳〜冷池山荘(テント場)
こんな感じ。
前日徹夜状態でも、朝は23:30、2:30と二度ほど目がさめた。
緊張しているのかも。
4:30頃テント内で起床。
朝ごはんは準備していたワッフルとコーヒー、そしてスーブデリにクスクスを混ぜたものを食べた。
朝から炭水化物を食べておくと腹持ちよく動けるのではという今回の目論見。
この連休は先週までとは打って変わって奇跡的に晴れ模様。
天気のいい北アルプスを存分に堪能したい。
自分の好きなULスタイルでできるだけ遠くまで。
諸々準備をして5:30に出発。
前回のGWは親不知に向けて歩いたのだが、今回はその真反対の上高地へ歩く。
前回、あっちはガツガツしてキツそーだなーと、なんとなく思ったのだが、
今日はまさにそこを歩くのだ。
わくわくしてくる。
唐松頂上山荘から牛首に入るのだけど、
すぐにゴリゴリの岩稜地帯で、朝から緊張感を強いられる。
陽が登ってくるのを横目にリッジラインのガレ場を慎重に下りていく。
途中危なっかしい場所も幾つかあるが、特に問題なく進める。
最低鞍部を過ぎると、イイカンジに空に登っていきそうな稜線。
やっぱり北アルプスのいいところは、
縦走中のほとんどが稜線上を歩けるということを実感する。
歓迎されているかの様な朝陽。
気もちいい。
7:30には五竜山荘へ到着。
唐松岳頂上山荘とは違ったテント数にびっくりした。
張り数もかなり少なそうだ。
ペースとしてはコースタイム2.5時間のところ2時間なのでまぁまぁだ。
今回の旅の計画ではコースタイムの70%で歩こうと思っていて、事前にある程度プランしてきた。
でもそれって休憩とかしない計算になってしまっていてそもそもからして間違えた。。。
でも問題なければ75%くらいでは行けるはず。
5分程度の休憩をとり、とにかく五竜岳へ先に進む。
ここまで来る途中、チョウケイ靭帯がズキズキ痛み出したため、ストレッチでごまかす。
五竜岳への道もテクニカルな場所はあったが、3点支持の基本さえやっておけば問題ないレベル。
picは五竜岳から五竜山荘の方を臨む。
さっきまで歩いてきた稜線と、良く見ると小さいけど唐松頂上山荘がみえる。
良い道を歩いてきた。
到着するとピークへ向かう標識と八峰キレットの標識があり、後の工程を考えると嫌でも気合がはいる。
まずはピークへ。
8:30頃五竜岳のピークに到着。
既に2800mを越えたところにいるということで、
まわりには雲海が広がり、雲の上に立っているみたい。
ピークでは人もごった返すが、雲の先の剱岳が凛々しく見える。
その先には何日も先に登る槍ヶ岳が見えている。
左手には鹿島槍と今から向かう八峰キレット。
なかなか険しそうではある。
7日間、このザックと信頼するGearで歩き、食べ、眠る。
ロングハイクの楽しみは、衣・食・住全てを背負ってより遠くへ行けること。
長い期間。
お気に入りのGearで歩けるということがこれまた嬉しい。
ここからが今日の、というか前半戦の難関ポイントG4・G5・八峰キレット。
やっぱり急峻でガレガレね。
ウワサで聞く限り、八峰キレットよりはよっぽどG4・G5が危ないという。
でも、残雪の不帰ノ嶮を渡った経験があるため特に問題があるとは思わなかった。
五竜岳や、道中では他のハイカーにかなり脅されたけど。。
結構、急。
角度45度だし。w
G4・G5の山容。
やっぱり結構な感じだなー。
9:00過ぎにG4にかかる。
G4・G5が難所というだけあって、かなりのガレ場。
慎重さが求められる。
このオレンジのヘルメットの人はものすごいスピードで消えていった。
後から聞くと親不知からのスルーハイカーじゃないかと。。
5日くらいで上高地まで行く人がいるらしい。
そんなの絶対無理。
落ちたら死ねる谷がたくさんあった。
ロの沢ノコルの奥が八峰キレットとキレット小屋のあるところ。
秋の山は楽しみがたくさんあっていい。
途中にある急峻故の鎖場。
でも、鎖があるだけましと思えるようになっているので特に不安はない。
確かにテクニカルではあるが、GWの不帰嶮のような無茶な場所はなかった。
もしかしたら自分にとってはあそこが一番辛かった場所になるのかも。
時期と装備が合ってなかった。。。
時間は11:00前。
ほぼコースタイム4時間程度なのでまぁまぁペース歩いているみたい。
早いことが全てではないのでタイムはあまり気にしないタチだが、
一応の目標ペースはもっておかないと。
あと少しでキレット小屋に到着できる。
左側からは細かい水蒸気状の雲が上がってきていて右側と左側では体感できるくらい温度が違う。
正直慎重に進めば普通に進める。
ただ、すれ違いが多く、すれ違う時に相手が方向転換した場合、ザックにぶつかれば谷底真っ逆さま。
それだけは気をつけないと。
細かいアップダウンに気持ちがやられそうになりつつ進むと、
ようやく『あと20分でキレット小屋』という標識を発見!
喜び、よじ登るが一向に見えない。
15分ほど登ると、『あと15分でキレット小屋』という看板を発見する。
ほー。そのパターンか。。
その後、細かくアップダウンを繰り返しながら谷底に建つキレット小屋を発見した。
この見え方は結構感動ものだ。
11:30頃キレット小屋に到着。
小屋の奥は真っ白い雲だ。
凡庸な感想だが、よくぞこんな場所に小屋を建てたなと。
誰もが絶対撮るであろうアングルから写真を撮ってしまう。
そして、それはここからしかいい写真が撮れないのだということが理由と知った。
中でうどんでも食べればと思って小屋の中に入って聞くと「ないよ」とだけ。
小屋番からコーラを買ったが、なんだか疲れているようで無愛想に見えた。
後から聞くとこのSW期間、しかも前半はものすごい混みようだったという。
布団一枚に3人だったと。。
考えたくない状況。。
ここへ来るまで同じようなペースで進んでいたIさんと同じテーブルで休憩した。
10分程でコーラを飲み干し、この先を考える。
なんとか16:00頃までに種池に到着できそうであれば進み、
そうでなければ冷池でテントとする。
方針は決まった。
このキレット小屋でもうしばらく休憩し、鹿島槍へ進む。
この先は八峰キレットの核心部だ。
いきなりの急登に若干めげつつ進む。
八峰キレットの印象は切り立った荒々しい岩肌を波乗りのように乗りこなすイメージ。
個人的には、崖上状の岩よりもザレた岩が転がっている方が滑ってしまうため、
そっちの方がよっぽど苦手だ。
洞窟に入るような切り立った部分を慎重に越えて進むとようやく鹿島槍にとりかかる。
難なく越える と分岐に出た。
この分岐は北峰分岐という場所で、北峰と南峰を分ける。
そして、北峰に登るには分岐から一旦登り返すことが必要となる。
ピストンすることに若干迷いつつも、せっかくなので寄ってみることにした。
このピストンがいつも面倒に感じてしまい僕はあまり登らないことが多いのだが、
この時はなぜかウキウキしている他のハイカーと喋っているうちに
たまには登ってもいいかという気になり15分程度のピークへ向けて歩きはじめた。
本来はこの分岐で荷物をデポしていくのがいい らしい。
そんなこと考えもせずに担いでいく。。
しまったなー。
13:00頃に鹿島槍ヶ岳北峰に到着。
結果、ピークの景色は素晴らしかった。
ピストンという精神的にヤられる行為に若干めげつつ登ってみれば下には雲海が広がり、
五竜よりもさらに近くなった剱岳が見え る。
剱岳にはUちゃん達がいるはず。事故ないといいけど。
これから登るであろう峰々を眺めながらしばし休憩。
写真を撮り、ひとしきり遊ぶとそそくさと降りることにした。
眺めはいいが、ピストンならもう来ることはないだろうなと思いつつ、
岩肌を歩き南峰へ向かう。
吊尾根で、一段下るので、南峰へは直登となる。
嫌でも心拍が上がってしまう。
途中途中で休憩を挟みつつ南峰にたつ。14:30くらいだ。
予定より若干遅れている。このあたりで、唐松頂上山荘のことを思い出して、
急に、テントが張れるか心配になってしまう。
そしてここで問題発生。
水があと400cc程しかないのだ。
乾燥なのか疲れなのかやたら喉が渇きちびちび飲んでいたが底を尽きそうだ。。
焦りとは反対に景色は雲のおかげで天空からの眺めかのようだ。
山は天気がいいというだけで気持ちがいい。
それもこれも、水に困らなければ。
南峰から布引岳までの稜線歩きは荘厳な雰囲気を味わえて
素晴らしいハイク体験だった。
つくづく、こんな風に先へどこまでも続いていく様な稜線の
シングルトレイルが大好物なんだと気付く。
振り返ると斜面は段々と紅葉しつつあり、緑と黄緑と橙と、
と、もうすぐこれが黄色に変わっていくことを思わせる。
紅葉の時期は長くて3週間くらいか?その時期の週末は2、3回くらい。
そして、晴れの天気になるのは何回?
と考えると、今回この時期にロングハイクができたのは奇跡的なのかもなぁと改めて思う。
奥に見えるのが布引岳。軽くパスする。
里山の様な雰囲気のトレイルを進むとその奥が冷池キャンプ場と小屋だ。
15:30頃、途中に「キャンプ禁止」看板があったり、
明らかにキャンプ地でない様なところでテント張ったりしている人がいたり、
どいうこと?と思いながらキャンプ場に到着すると、その理由が分かった。
キャンプ場はテントの山だった。
トレイル上にはみ出して張っている人もいるくらい。
これはヤバい。
この時点で今日の種池山荘行きは中止。
小屋の中で受付をしようと入ってみると小屋は長蛇の列。
受付するのに30分程かかったか?テントにするか小屋泊まりにするか迷ったが、
小屋もこの感じじゃかなり窮屈な中で寝る必要ありそうだと思って、
場所が取れることを願ってテント泊を選んだ。
カラカラの喉を水で潤して、ビールを買ってテント場を詳細に調べていくと、
急傾斜になったところか、それこそトレイル上しかないじゃないの。。
文句いわれることも覚悟しつつトレイル上にテントを張ってみた。
目の前にいらっしゃったUL好きの3人組。自分のギアに興味津々だった。
他にもLocusgearのハピCTF3を張っている人がいた。
100張りくらいはあったと思うがULギアの人はそのくらいだった。
とにかくテントが張れた!
夕陽に照らされる雲海に浮かぶラピュタみたいになった劔岳が印象的だった。
これを見ながら飲むビールの美味いこと!
少し寒くなってきてナンガダウンパンツとパタのナノパフハイブリッドJKを羽織る。
夜はクスクスとトマトソース煮込みにしてみたけど、
朝から気づいてはいたが、この味そんなに得意ではないことがわかった。
同じ重量なら米をもっていた方が自分的にはいいっぽい。
米とは違い炊く手間がないのが良いらしいが。
最近は炊かなくて済む焼き玄米なんかもあるみたいなのでそっちも試してみようかと思う。
アルファ米はできるだけ使わない方針。