もう少し行けるつもりだったのだ。。。
七丈小屋〜甲斐駒ケ岳〜仙水峠〜長衛小屋〜二合目〜小仙丈ヶ岳〜仙丈ヶ岳〜伊那荒倉山〜高望池(ビバーク)
3:30頃起床。
4:30出発
昨日ののんびりを取り返す為に
コーヒーを啜り、クッキーを齧って歩き出す。
ヘッドライトをつけて暗い中歩き出す。
途中なかなかの急斜面+残雪に手こずる。。
朝の寒いうちに歩いたからか、足下が結構雪が固くなってくれていて、
アイゼンは効き、ツボ足率は少なくなっていた。
風の音、ザクザクとした雪の音。
僕の荒い息遣い。
朝が明ける時の、鼻にツンとしたカンジ。
そうそうコレだよ。ヒリヒリしてきた。
甲斐駒ヶ岳へ向かう途中、天に突き刺すような不動明王の剣が2本。
思わずこの先の旅の無事を祈らずにはいられなかった。
ハイマツは雪で凍っていた。
見えてきた!
あれが甲斐駒ケ岳頂上だ。
僕が縦走が好きなのはピークが唯一の目的地にならず、通過点に過ぎないところ。
もちろん短期的な目標値にはなるんだけど、
「〜〜山」に登るのでなく、「〜〜山」から「〜〜山」までの道のりを楽しめるところにある。
もちろんそうするためには衣食住の全てを持つ必要もある。
もう一つはピストンがあまり好きではないところ。
さっき通ってきたところをまた同じ景色みて通るってわくわくしないから。
もちろん山の楽しみ方はいろいろだとは思うけど、
僕はそう考えているというだけのこと。
6:00。
2.5hのコースを1.5hで歩いているのでまぁまぁのスピード。
今回は残雪によるスピードの影響がどの程度あるのかが読めない。
ピーク到着。で撮ってみてはみたものの、大きな感慨はない。
それでもさすがに森林限界は越えていて360度見渡す限り山。
若干春霞み?というか曇っていたので圧巻というほどではなかった。
さぁ。仙丈ヶ岳を目指そう。
花崗岩のトレイルを行く。
足下は若干滑るが、危険という程ではない。
7:00過ぎに駒津峰に到着。
北沢峠側から続々と人が登ってくる。
休憩する程でもないから先へ進む。
たいした問題ではなかったけど、ここでちとやらかす。
人が登ってきた方向へ何も確認せずに進んでいく。
樹林帯へ逆戻り。
雪はないのでそこまで歩き難さを感じることはないが400m程下ることになるので
なかなかの傾斜だ。
やっと北沢峠に着いたか〜と思っていたら、ここは仙水峠。
MAPをよく確認せずに進んでしまったもんだから、双児山へ向かっているつもりが
反対の仙水峠にきてしまった。
どちらからでも仙丈ヶ岳へは向かうことができるのは確認済みだったけど、
このくらいの不注意で遭難になる可能性があると少し反省。
まぁ、岩で埋め尽くされた谷間を気を取り直して進む。
奥に見えているのは中央アルプスかな?
途中、仙水小屋では無料で水をもらえる。
もちろんすぐそこに川が流れているため、浄水器があればそこからも汲める。
水場には「水を汲む場合は一言声をかけてください」なる看板が。
なんだか一気に興覚めする。
マナーのないヤツがたくさんいたのだろう。。。
スローシャッターの練習。
まぁまぁ水の流れ感あるよね?
シャッタースピードは1~2秒にして痕の設定はあまりよくわからない。
まだ、自由に撮れる感じではない。
途中の川で、川から生える樹を見かけた。
立ち枯れているのか?
生きているのか?
不思議。水は異常にきれいで透明度がすごい。
しばらくいくと、長衛小屋とそのテン場に到着する。
北沢峠から近いということでテン場にはかなりの人がいた。
さっき上で会ったのはたぶんここに張っていた人たちだろう。
身軽装備だったし。
UL装備の人は見かけなかった。。
今から考えれば、ここで昼休憩を取るべきだった。。
小屋から、整備された林道を少しだけ歩きトレイルに復帰する。
ここをあがれば仙丈ヶ岳2合目に合流できる。
10:00。
ようやく合流地点へ。
イイカンジの切り株で放心w
3合目、4合目を経て、大滝頭(5合目)に到着。
ここは二股に分かれて馬ノ背かこの坂を直登かを選べる。
なんとなく踏み跡の多そうな直登を選ぶ。
ここまで抜きつ抜かれつしていたお兄さん2人組も同じことを考えたみたいだ。
10:00を過ぎれば気温で雪は氷状になり、ザレザレになる。
これがまた歩き難い歩き難い。
そしてこの傾斜だからまた。。
ここは小仙丈ヶ岳への最後の傾斜。
30度くらい?
これがかなりキツい。
そして僕の足下は軽アイゼンとストックしかないので滑落が怖い怖い。。
春山でも3000mを歩くなら12本爪くらいは用意するべきだった。
足下軽くて軽快なのはでいいのだが。。
12:00過ぎ。
なんとか小仙丈ヶ岳に到着。
この時点でかなり疲れ果ててる。
朝のコーヒー&クッキーだけじゃね。。
仙岳小屋が開いていたら何か食べよう。(開いている訳ない。。)
このあたりが頭もボーッットしていてあぶないとこね。
遠くには間ノ岳と北岳が見えている。
これがあるからたまらない。
これがまさか明日はあそこを通ることになるとは。。
この時は考えもしなかった。
仙丈ヶ岳はもう目前だが先を行くお兄さんたちも若干疲れているみたい。
あと少しあと少し。
下に見えるのが薮沢カールの仙丈小屋。
この小屋、雪崩あったら一発っぽいけど大丈夫なのかな?
その前に、どうみたってやってねーよ。
コーラと暖かい蕎麦、食いたかった。。
ラストの急登。
ここま結構エグかった。。
13:30前にピーク到着。
ここまで7時間。長かった。。
そういやMYOGザックを背負っているとこは初めて撮ってもらったかも。
ふむふむ。
ま、荷物がごちゃごちゃしてんなーってくらいで、悪くはないね。w
ここまで2日間トラブルはない。
腰ベルトも追加できているから尾瀬の時よりイイカンジだ。
このピークでここまで一緒だった二人とはお別れ。
先へ進もう。
この先には踏み跡はなく、最近は誰も歩いてないらしい。。
ここからは仙塩尾根と呼ばれる尾根で塩見岳の方まで続く尾根。
今日はそんなところまでは到達しないだろう。
それと、若干3日の天気が心配だ。
14:00前に大仙丈ヶ岳に到着。
道中はたいして危険なところはないが、残雪に足を取られる。
広いとこならいいが、
リッジのようなところで横から突風が吹いた場合のことを考えるとなかなか怖いものがある。
2975mから今度は460m程下るのでまた樹林帯へ突入する。
ここまでの経験上、
森林限界は2500mくらいまで。
残雪は2400mくらいから。
という感じ。
慣れない残雪とルートファインディングでかなり体力と集中力を消耗している。
そして、ここまでやっていなかった小屋の存在もある。
あまり期待せずにきたがよく考えたら明日からの水はどうするのだ?
そんなことを考えながらとぼとぼと歩く。
道中のピンクテープ探しにも既にヤラレている。。
夏道トレイルは消え、ツボ足で歩く雪道となり、激しく体力を消耗する。
森林限界の標高は高く、3000mをつなぐトレイルは大抵は荒れ果てた灌木地。
ルートは細かくロスト&ロスト。GPSで現在地と、向かうべき方向を確認しながらも
ハンターのようにこのピンクテープのみ追い求める。
これがなかなか難しい。
歩いている道に不安を覚えながらもピンクテープで答え合わせ。
何かのゲームみたいだった。
16:30。伊那荒倉山に到着。
この時点でどこかにビバークすることを決めていた。
目的地はこの先の夏は枯れているという池のある高望池あたり。
なんとか池に水があればそれでしのげる。
こんな春先で水の心配をしなくてはならないとは。。
空に真っ直ぐ伸びる杉林の中を彷徨いながら
ピンクテープを追い求めていく。
何度も何度もGPSを確認する。
近い。
と、突然目の前にぽっかりひらけた場所に着く。
17:15頃目標の場所に到着。
!!!!!!
池に水がある!!
そして、よくよくみるとなんとも最高なテントサイトじゃないか。
めちゃめちゃ気に入った。最高だ!!
この日、一番テンションがアガッたかも。
早速、テントを張って寝床の準備。
準備ができたらラストビールをあける。
うまい〜〜〜。。
このために360gをかついできている。w(ちなみに2本は昨日飲み干した)
しかし、ジン250ml+日本酒500mlが残っている。
ちびちびといくのだ。
ナイスな石を見つけてネイチャーテーブルを即席で。
VERTEXSTOVEで風防兼ゴトクに。
全く美味そうには見えないが、今日の御飯は親子丼。
これまた卵トロトロで最高。
味が少し優しくて、疲れきった体には塩分が足りなかったかもw
足先を雪で濡らしてしまっていたので誰かが作ったネイチャーサークルで
少しだけ焚火をした。
これがまたなんだかこの旅に満足感をもたらしてくれた。
天気予報を開いてみると明日5/2は快晴だけど、翌5/3からは最悪な天候。
風速30mを越える爆風だ。
SNSを開いてみるとみなさんから忠告のアドバイスやコメントが入っている。
地上ではもう少し細かい天気の情報が手に入っているのだろう。
焚火もしたし、ナイスなビバークも出来たし、
なんか満足しちゃったなぁ。