0日目。
夕方まで仕事をこなし、レンタカーで軽井沢に戻ると、
まずは仕事道具を一切合切宅急便で自宅に送ってしまうことからはじめる。
着ていた服も全部。
ロッカーからザックを取り出し、パタゴニアバギーズ、Tシャツ、キャップ、ワラーチ姿になれば
既に気分はハイカー気分w
がらっと頭を切り替える。
当初は登山口近くの天狗温泉(浅間山荘)までいければと思っていたけど、
どうやらバスもないし、なにより面倒くさいw
というわけで、本日一番心地よくかつ安く泊るにはと検索をかけるが
なんとも観光地価格でヒットしない。
範囲を広げると、明日バスを乗る場所の佐久平駅近くに、健康ランド的なヤツがある。
仮眠休憩扱いで23時までに入店すれば、温泉付きで1泊¥2500。
これならありじゃない?
佐久平プラザ21
さっそくそこへ向かう。
飯を食い、明日からの食事類をまとめて買い込み、
温泉入って仮眠所でぐっすり。
ZZZ。
信越トレイルを歩いてから、やはり長い距離を歩き、
山と山、地域と地域を繋いで歩いて行くことに興味があるということを再確認したため、
今年は「ロングトレイル」と呼ばれるルートをできるだけ無理なくセレクトしてみようと思っていたところ、
この機会となり、ついでに計画したのは「浅間ロングトレイル」。
「浅間ロングトレイル」
浅間山を中心に6つのエリアにある既存の遊歩道・登山道・林道・一般道等をつなげて一周出来るように設定された歩いて旅する長距離遊歩道「ロングトレイル」
信越トレイルのように詳細な公式なマップはなく(調べきれなかっただけ?)、
国土交通省のものがどうやら一番詳しそうとみてみると、なんだか一般道をかなり歩くことになるみたい。
しかも、肝心の浅間山は通っていかない。
ロングトレイルとはいいつつも、観光地、地域振興の側面が強くて、
6つの地域を公平に通るようにつないでみたら、ロングトレイルと言える?というような印象。
僕が求めているような山旅はできなさそうなので公式な「浅間ロングトレイル」は中止。
自転車でまわるのはいいかもしれないけどね。
代わりに、マップを良く見ると、1泊か2泊でコンパクトに山旅が出来そうなので
勝手に「浅間トレイル」と名付けて歩くことにしたのが今回のコース。
ちなみに浅間山・湯ノ丸方面へのバスははそれぞれ1日2便しかなく、
平日も定期運行しているのは浅間山方面だけ。
湯ノ丸山方面への平日運行はなかったり、
時期によっては運行していないので良く調べてから計画した方がいい。
1日目のコースは
浅間登山口〜火山館〜賽の河原分岐〜Jバンド〜鋸岳〜仙人岳〜蛇骨岳〜黒斑山〜車坂峠
こんなかんじ。
8:35分の佐久平駅初のバスに乗り込むと9:00過ぎにはトレイルヘッドへ。
そのまま乗って行けば高峰高原まで乗せてくれる。
多くの人は日帰りルックスでここで降りる登山客は僕しかいなかった。。
浅間山を登るなら一度浅間登山口から登りたいなと思っていたところ。
今回は1~2泊装備ということでMYOG_1Dayを持ち出してみた。
やっぱり自分の作ったギアで山を歩くのは楽しい。
だんだん愛着も出るようになってきた。
ところで道中の工程はといえば、こんな感じの舗装されてない林道をとぼとぼと4kmもあるかなければならない。
これはかなり退屈だ。
でも、これからみれる浅間山を考えて内心はワクワクしていたのは間違いない。
ここが林道の終点になる天狗温泉(浅間山荘)。
浅間山荘とはいっても、「事件」の方とは全く関係ないみたい。
あっちは軽井沢の別荘だしね。
浅間神社までは鳥居がいくつかあるらしく、気持ち引き締めてくぐっていく。
ここで初情報。。
そーかー。浅間山は火山警報レベル2で途中までしか入れないのか。。
自分の感覚ではもう少し上までいけるのかと思っていたら、麓の賽の河原までなのね。。
調べが足りなかった。。
見てみたかったな。火口。
ま、気を取り直していきますか。。
目の前に登山届け入れがある。
出せるところでは必ず出すようにしているが、
遭難届けを誰かが出してくれなければ、もちろん誰も探すはずがない訳で、
自分の場合はなかなか難しいなと思っていもいる。
もう少し難易度が高く、自分でもヤバいなと思うよっぽどの場合は
友人に連絡を入れるようにはして、連絡が途絶えたら遭難届けを迷わず出してもらうようお願いしているんだけど。
でも、どんな山でも何が起きるか分からないけどね。
届けは、出すことによってある程度自分がどの部分を歩くかとかの改めての俯瞰にもなるし、
気も引き締まる。迷惑かけれないからね。
林道とは違う、しっとりとしたトレイルの中を歩いていく。
天気のことは考えてもしょうがないし、森の中をとぼとぼと歩く。
どーでもいい話だが、今日はバギーズの水色。
ちょっとくすんだ水色でグレーのTシャツにも合わせやすい。
この色、なんだか夏色で悪くないでしょ?w
川はときどき流れているが、火山帯なので硫黄臭がすごい。
浄水器もこの硫黄は浄水するのが難しいんじゃないかな?
今のとこは使う必要はあんまりないけど。
一の鳥居くらいを過ぎると視界も拓けて気持ちい感じになる。
空はいつものごとく曇っているが、部分的には青空がのぞいている部分もある。
右側には牙山(ぎっぱやま)左側は黒斑山?
牙山はかなりぎざぎざしてきつそうな山だなという印象。
登る人はいるんだろうか?
12:00頃。
火山館へ到着。ここでは水の補給とWCがある。
ここへ来るまでに、薪のボッカ願い的なやつがあったが、
ポールを持っていたのでちと面倒だと思ってしまい持ってあがってこれなかったが、
後から来たトレランの人は両手に一つずつもってボッカをこなしてきていた。
その人と話していると、天気もなんだか怪しくなってきて、先が思いやられる。。
出る前に見たところ夜まで曇りで夜から降り始めるとのことだっただけどなー。
火山館のオヤジさんからは雷に気をつけろと言われた。
うーむ。。。
ぽっかり空いた空間に謎の花。
何て名前なんだろう?
いつも花の名前を知りたいとは思いつつ、調べもしないぐぅたら。
賽の河原分岐は何の感慨もなく過ぎてしまい、しばらくすると空がひらけ、
地面は勾配なく砂利道になってきた。
おぉーーー。これが浅間山かー
ちょっと圧倒的な存在感だな。
初見の印象は「火星」。
樹木は麓にしか生えておらず、たぶん火山のせいで地面が暖かいんじゃないのかな?
火山噴火では灰と地面温度上昇で樹木枯死するんだと。
浅間山は警戒レベル2。
13:00過ぎ。
浅間山はガスで完全に隠れてしまった。
これが晴れなら圧倒的な姿が見れたんだろうな。
ちと残念。
気を取り直してJバンドに取り掛かる。
《Jバンドとは》
ここは旧浅間山が出来たときに積み重なった溶岩や火山礫の層が交互にあり下から数えて10番目(アル
ファベットのJが10番目)の所を指すとの説もあったが、実は昭和26年に群馬県在住の有志が安全に賽の
河原へ下りられるルートを開拓し、これを浅間山側から見たとき尾根とルートの組み合わせが「J」に見える
ので「Jバンド」と命名され、バンドを直訳すると帯なので「火山礫の層」と勘違いされたようだが、実際はゴロ
の良さだけで付けたとのことであった。
と、ゴロで決まったといわれるJバンドを登ってきた。
急勾配&浮石が多いというくらいで、特段難しいということもない。
上からさっきまで歩いてきたところを見下ろすとなかなかの高度感。
なかなかいい光景。
Jバンドを登りきると、妙齢の集団に会う。
結構ガスが出てきて視界は10mくらいかな。
気を付けないと危ないなと思ってた。
集団でなかなかゆっくりペースで歩いてたけど、
もうすぐ雨と雷がやってきそうなので少しだけ声をかけて先を急ぐことにした。
目の前は仙人岳かな?
どんどん視界が悪くなってくる。
蛇骨岳にきたくらいで雷との追いかけっこが始まってきた。
ごろごろごろごろ。
いやぁ。
雷は嫌だなぁ。
早く樹林帯に逃げ込まねば。
14:30前。
黒斑山に到着。
このあたりから樹林帯と岩場が交互に混じるようになってきて雷はそこまでは気にならなくなってきた。
黒斑山からは樹林帯だけど、夏山感満載。
ミドリがモサモサと生えてきていた。
草すべり分岐、トーミの頭を過ぎる途中、ドラム缶のとうな鉄板でできた避難小屋が登場。
かまぼこ型で出入口の扉などはなく、本当の屋根のみのシェルターが出現。
どういうシチュエーションでここに避難するのかわからないけど、
これがあるということは必要な時があったとういうことか。
それか今は想像できない冬時期かな?
このあたりは風が強く、さえぎるシェルターが欲しかったのかも。
とにかく中はゴミが多く、薄暗いのもあって、泊まりたいとおもえるような環境ではないのは事実。
木段を延々と降りていくと、パーッと広がった砂利の広場に出る。
虎テープの奥に何があるかと見てみると高山植物の女王コマクサ。
唯一知っている高山植物かもw
ここでテント晴れたら気持ちよかろーに。
山に来るといつもテント場を無意識に探しているかも。
鬱蒼とした笹薮を結構歩かされるとトレイルヘッドである車坂峠に到着する。
車坂峠に到着。
本当はも一つ先の高峰温泉まで歩こうと考えていたんだけど、疲れたなってことで
このあたりの駐車場脇ででもキャンプさせてもらおうかと思ってた。
だけど、雷もスゴイし、歩き疲れてるしで、道路から少し入った中に入らせてもらって
人に絶対合わなさそうなところでステルス。
このあたりは希少植物だらけでだからちと寂れたところを選ぶことができた。
テントを張ってしまえば高峰高原ホテルのこまくさの湯に直行。
夏場にトレイルを歩いた後に風呂に入れるなんてなかなかいいな。
あとは渇いたのどにコーラとビールね。
歩いた後の炭酸はホントたまんない。
テント場はこんな感じのひっそりとした場所。
道路からはほど近く、誰からも見えず、空き地みたいなとこ。
樹の生い茂る森の中に見つけられてよかった。。。
今日の晩飯はレトルトカレー。
今まではピコグリル85に乗せて炊飯していたんだけど、そうすると火元までが遠くて
アルコールが無駄になってしまうのが悩み。
その解決にはアルストを嵩上げしてたんだけど、なんとも安定感がなくて嫌だった。
それを最近はピコグリル85に差し込めばいいんじゃないかと思いやってみると、
これがジャストフィット。
鍋と一体感も出るしイイカンジ!
アルミポットとピコグリル85はこうやって使うべしw
日が暮れたところで酒もなくなり夕暮れがやってきた。
音楽をかけながら石の上においたネイチャーストーブ遊びを少しだけした。
この少しの時間だけでも山旅に満足な時間を提供してくれる。
やっぱり迷いに迷ってでも買ってよかったな。
もちろんステルスした後は灰も全部持ち帰ってタツトリアトヲニゴサズで。
Day1(■)
Day2(■)
※ご注意
皆さまご存じとは思いますが、山でのビバーク行為はグレーゾーン領域と考えられています。
山岳地域での焚火行為も一般的には許可されているわけではなく
同列として扱われることが多く見受けられます。
決して他の方にこれらの行為を安易にお勧めしているわけではありません。
同様の行為をされる方におかれましては、ご自身で各地方の条例、ルール等の確認を行い、
行った後はサイトを可能な限り元の状態へ整え直して、(いわゆる、ステルスですね)
ご自身の経験と、見識、マナーに照らし合わせて、
自己責任において、くれぐれもで事故にお気をつけて楽しんでくださいね。