3日目の行程はこんな感じ
南白樺湖〜八子ヶ原峰〜蓼科山〜(ビーナスライン)〜北八ヶ岳ロープウェイ〜五辻〜出逢いの辻〜麦草ヒュッテ〜丸山
中山〜中山峠〜黒百合ヒュッテ〜天狗の奥庭
昨夜は温泉にも入れたし、何より高地ではない白樺湖周辺で寝れたということで、寝袋はポカポカで
一度も起きることなく、雪の上で寝ることにはなったが全く寒さを感じずにいられた。
温泉に入ったからか、いたって調子がよい。
今日はいけそう。
別荘地のロードをひたすら歩き、蓼科山登山口に通じるローカルトレイルを目指す。
白樺湖ROYAL HILLなるスキー場のゲレンデを登りつつ眼下に白樺湖を見下ろしながら歩く。
上の雪は今までとは違いウェハース状の感じだ。
ちょいと足をとられてしまう。
白樺湖は半分以上凍っている。
反対側の車山高原を歩いているときはあそこが渡れたら楽だろうななんてことを考えていたw
奥の茶色い部分が車山高原の一部。
こうやって上から見ると自分のもつ地図と実際の地形が重なって面白い。
この八子ヶ峰はそんなにメジャーな山ではないと思うが、地形図からみると少し登ってしまえば
等高線はユルく広がりフラットなトレイルを歩くことができるんじゃないかと考えていた。
予想通り。
なかなか良い場所。
足跡があるのは動物のみ。
ただし、雪山で誰も足を踏み入れてないということはその分雪も深いということで。。。
フラットな場所なのに苦労させられる場所となった。
この抜け感。最高。
でも歩きづらいことこの上なし。
眼下は杉?同じ樹種が整然と並んでいてすこし不思議な光景だった。
八子ヶ峰には8:00過ぎに到着。
まぁまぁ良いペースなんだろうか。
スキー場が近くになるということで山頂には誰かの雪だるまの忘れ物。
フラットスペースは続き、東峰へ。
少し雪も降ってきた。
ポツンと建つのはヒュッテアルビレオ。
どういう意味かと思っていたら何座かは忘れたけど星座のうちの星の名前のようだった。
他にも小屋をいくつか経営しているみたいね。
よく小屋に来て思うのは、どんな経緯があってここで小屋を経営することになるのか?ってこと。
キャンプ場も同じことを思うかも。
やったら大変そうだけど、きっと面白いんだろうなってことも同時に思う。
ここからは蓼科登山口に降りるだけ。
先に見えるのが蓼科山登山口。
黄色い小屋はバイオWC?
ここからはビーナスラインを下っていくだけ。
あぁ、またロード5キロかぁ。。。
てな感じ。。
すると、偶然居合わせたこの女性と会話することになり、
実は知り合いの知り合いというツナガリがあることが分かる。
山のアクティビティも世界がやっぱり狭いね。
この人はいま登山ガイドの資格取得にチャレンジしていて、話を聞くだけでかなりの山に登り、
この日もソロで蓼科山をラッセルしてのぼるのだという。
登山ガイドに対する思いや、そのハードルの高さなんかを聞き、
きっとガイドになるんだろうし、似合っているなぁなんて印象をもった。
こんな人にこそ合格してほしいなぁと思える人だった。
がんばって!
このままソロ軽装で豪雪の蓼科山に消えて行ったw
すごいw
彼女を見送った僕はと言えば、延々続くロードを黙々と歩く。
思っていたよりも長い。
ビーナスラインから北八ヶ岳ロープウェイまでの2〜3キロ程がまた長い。
正直うんざり。。。
タクシーが捕まればタクシーで行くべきw
延々歩いて北八ヶ岳ロープウェイに到着したのは11:00頃。
昼にするべきかどうかちと迷う時間ではあるが、この旅ではいつ食い物がなくなるかわからないという思いから
昼休憩に。
ま、ただコーラが飲みたかったというのもあるがw
全てがスキー場価格なのにうんざりしながら、まぁそれでもまともな金額のラーメンに。
夜も恐らくラーメンなんだろうが。。。
結果は、疲れ過ぎてて炭水化物ならなんでも美味いという結果にw
やっぱり、歩き疲れた後は何でも美味い。
昼を食って12:00のロープウェーに乗る。
ここを歩いたこともあるが、別になんの楽しみもなかったことから次来たときはサクッとロープウェーで
頂上まで行こうと決めていた。
結果、正解。
文明の利器は最大限使いたい派ですw
ちょっとどんより気味だった空も八ヶ岳ブルーを取り戻しつつある。
いいかんじいいかんじ。
そういや、明日は確か晴れだったし。
天候的にはなかなかいいタイミングで歩けているのかも知れない。
そうそうこういう北八ヶ岳の冬の森を歩いてみたかったんだ。
ま、1時間も歩けば慣れてしまうんだろうけど、歩きながらニヤニヤしていたと思う。
見上げればこんないくつもの樹種が空を求めて伸び放題。
この森ではatelierbluebottleの辻岡さんが撮っていたような森の中でハラハラと落ちる粉雪の写真が撮りたかったんだけど、
なかなか上手く撮れず、カメラの設定がよく分からなかった。
もう少し写真を上手く撮りたいなと思いながら歩いていた。
写真を撮りながら遊んでいるとなかなか前にも進まないしいろいろもどかしい。
出逢いの辻から少し行くと麦草ヒュッテにつながるメルヘン街道に出る。
ホントはこの道をまっすぐ歩けば麦草ヒュッテに到着するのだけど、今日はロードを歩き過ぎたので
少しでも森の中を歩きたいなと思って再び森の中へ。
メルヘン街道に沿って平行に走る小径は「斧断ちの森」と呼ばれる。
夏は苔むす変化に富んだ小径なのだろうが冬はそんな面影は全くない。
でも人が誰も歩いていない道をとぼとぼと歩くのは気分がいい。
時折うっそうとした森が開ける箇所があり、そこで青空を見上げるという行為自体が愛おしいw
よくよく考えたら、東京で空を意識的に見上げることって少ないかも知れない。
別に都会がどうとかいうことではなく、単に気持ちのいい場所というのがそういう場所というだけ。
奥で半分くらい雪に埋まっているような小屋が麦草ヒュッテ。
入口ではスタッフさんが作ってくれた雪だるまが迎えてくれる。
これは旅の後半感じたことだが、冬の小屋が営業してくれているのはとてもありがたい。
数える程しか営業小屋ってないのかも。。
14:00頃に到着し、せっかくなんで一休みでもしようかと。
今日はできることなら夏沢峠まで足を伸ばしたかったところなんだけど、東天狗と根石岳のブリッジを夕方渡るのも銅貨と思い
地図を見ながら作戦を練る。
つい3時間前にラーメン食べたというのに「おでん」という字をみて急に食べたくなってしまった。
なんだか急に先を急ぐのもどうかと思いはじめて、おでんだし、ビールも重いしってことで1本空けることに。
隣の人と美ヶ原から来た等と色々お喋りしながら束の間の休憩を楽しく過ごした。
夏歩いたときも、いつも忙しく歩くし、小屋で休憩なんかあまりしない性格なためこういう時間はなんか珍しかった。
こういうのも悪くないね。
30分程休憩して重い腰を上げて出発。
今日は黒百合ヒュッテら辺のどこかが限界だろうな。
などと既に夏沢峠は諦めモードで出発した。
反対側からの麦草ヒュッテのお客さん。
丸山までいってピストンでかえってきたとのこと。
丸山のラストはかなり急勾配で地と苦戦するという事前情報。。
以前にきているからわかってはいるもののやっぱりキツいのねと肝に命じる。
ちっとキツめの丸山をやり過ごし、しばらく歩くと高見石小屋。
ここは先ほど麦草ヒュッテでお話したお客さんが今日の宿として泊る予定と言っていた小屋だ。
小屋泊まりは過去20歳のときの富士山でのタコツボ部屋を最後に泊っていないのだけど、こんな冬の時期の小屋泊まりなら
結構居心地が良いのかもななんてことを考えながら横目に見てスルーしてきた。
居心地の良さの想像を膨らませてしまっては先に進めなくなるもんねw
15:30もまわり、陽が少しづつ落ちてくる。
この時期の八ヶ岳は18:00くらいまで陽が落ちない。
今回の旅では出来る限り1日12時間程度を歩くことにしていた。
ということはまだあと2時間程は歩ける。
体力的にもへばっている感じもないし。
もう少し行こうもう少しいこう。
八ヶ岳を代表する場所なだけあってちらほらと「黒百合平」という標識が目につく。
今日は最低そこまではいこうという気になる。
中山までくると樹々はまばらになり、まるで空に向かって歩いているような気分になる。
誰一人歩いていない雪山を歩いているこの爽快感。
気持ち良過ぎて叫び出してしまう。
ひとりだしw
一瞬、ここにテント張ってもいいかもななんて考えながら歩く。
明日に備えて少しでも先に進んでおかねば。
中山からの下りの道中、少し風とガスが出てきた。
明日にまでこういうのが影響しないといいんだけど。
明日は身軽に、テンポ良く進みたいし、何より快晴の中歩きたいから。
外にはテント客なんて誰一人いなくて、やっぱ陽と少ないんだななんて主って中に入ると、
結構人がいたwさすが黒百合ヒュッテ。
少し腰を下ろそうと思ってスタッフの方に声を掛けると、
「テント客はテント代払ったら何買っても外で食ってくれ」的なことをいわれてしまい、
え?ビール休憩もだめ?
だめ。
ということはどこで寝ても同じかと諦め、もう少し進もうと黒百合ヒュッテをあとにした。
泊まり客が多いんだから仕方ないにしてもビール休憩くらい小屋の中でさせてくれてもと思わずにはいられなかったけど
あちらにはあちらの理由もあるのだからとすぐに諦めることにした。
みんな小屋でヌクヌクしてるのに目の前で寒々しいテントを張るっていうのも想像すればシュールな絵面だしw
陽が落ちる直前の18:00ちょい前にトレイルからはずれ地形図をみながら森の中へ入る。
このあたりは天狗の奥庭、の奥の方。
足跡があるから痕跡は残るがここまでくれば人も来ないだろうというとこまで入りようやく宿泊場所を決定した。
なんせ陽も落ちかけてるから手早くテントを張りたい。
スノーシューでテン場周辺を丁寧に踏み固めて場所を作りテントを広げる。
ここで大事件。(自分的には)
昨日の結露で、タイベックが凍り付き、広がらないのだ。
ソフトタイベックはよく観察すると撥水側のコーティングされた麺と内側になる不繊布のような側があり
そちら側同士は凹凸があって摩擦が大きい面となりそちら側同士を合わせてしまうと凹凸の間に水蒸気を溜め込んでしまい、
常に氷点下の中歩くとそれが凍結してしまうのだ。
ちなみに気温は−8、9度でこの時点でビールもカチコチに凍り付いていた。
結露は凍結する可能性がある。
そんなこと考えればわかるけど経験してないんだから考えなかった。。。
甘かった。。
タイベック同士を慎重にはがしていく。
ぺりぺり。ぺりぺり。
慎重にはするが、陽も落ちて急激に寒くなってくる。
早くシェルターに逃げ込みたい。
ぺりぺり。ぺりぺり。
あーーーーー
ぺりぺり。ぺりぺり。
ちょっと力を入れてみれば、不繊布部分がはがれ間の繊維のようなものが出てくる始末。。
やっちゃったよ。。。
そこからは帰ってから後のことは考えよと腹も座る。
べりっべりり〜
べりべり〜
いま、コレ書きながらあのときの悲しい気持ちをなぞっているw
どうやって直そーかな。。。
30分ほど格闘して、すっかり凍えてテントもある程度ダメージを負って設営完了。
シェルターに逃げ込んで寒さから一時的に開放される。
今夜は凍えそうだ。。。
そんな悲しい事件がありつつも酒は飲むかとまずは日本酒を熱燗にして体を温める為に飲む。
その後はビールを湯煎するw
なんせカチコチになっているからw
晩ご飯は寒さから逃れたくて汁物系のラーメン。昼も食べたのは忘れたw
汁物のいいところは、凍ってしまったおにぎりなんかも放り込めば雑炊になるところ。
テント内はこの時点で−10度だったのでテムレスをはめたままの食事をしなくてはならない。
後から考えると、この旅の中で3日目が一番寒かった。
マットもなくしたままでイナーシャオゾンのみなので仕方なく、一番寒くない体勢にを探りつつ明日に備える為就寝。
20:30頃就寝する。
といっても寝袋の中で「寒い〜寒い〜」といいながらあまり眠れなかった。。
夜中に再度確認するとテント内でー15度になっていて、
もう、やんなった。。
明日はとうとうこの旅の核心部。
早めに起きてチャレンジしなくては。
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