今年の盆休みはどこもかしこも雨だらけ。
しかも毎時刻めまぐるしく天気マークが変わっていく。
当初、立山方面で知人が山小屋で働いていると言う話を聞き、行ったことも無いし立山へ石老山へ行ったメンバーで行こうと
決めていたが途中で一人仕事の都合で行けなくなり計画は頓挫していた。
それにしてもせっかく体が空いている訳なので2人でもどこかへ行こうかという話になりはしたが、
天気の状況もあり場所も日程もイマイチ決めきれなかった。
自分的にもアルプス方面へは行きたいとは思っていたがどこへ登りたいというのがなく決めきれなく、悶々としながら
なにとはなしに地図を眺めていると、目に留まったのは「温泉マーク♨︎」。
それをみて閃いたのは「山の温泉旅」。
山を歩いたあとまずどこへ行きたいかと言えばそれは「温泉」であって、なにを飲みたいかと言えば「ビール」である。
それを山の中で全部やってみようというイカした企画。
そう決めたあとは一気に計画は進み、運良く夜行バスも取れてあとは天気待ちというところ。
心配なのは女の子との二人旅。
さて。。
今回歩いた白馬周辺のコースはこんな感じ。
Day1(■) 猿倉〜大雪渓〜白馬頂上山荘〜杓子岳〜鑓ヶ岳〜白馬鑓温泉
Day2(■) 白馬鑓温泉〜鑓ヶ岳〜杓子岳〜白馬山荘〜白馬岳〜三国境〜小蓮華山〜白馬大池〜白馬岳蓮華温泉
Day3(■) 白馬岳蓮華温泉〜白馬大池〜乗鞍岳〜栂池山荘〜栂池高原
Day1
猿倉〜大雪渓〜白馬頂上山荘〜杓子岳〜鑓ヶ岳〜白馬鑓温泉
初めて利用したのは「毎日あるぺん号」。
このバスの特徴は新幹線の「ぷらっとこだま」などと同じで企画旅行という扱い。
そのため行きも帰りもバスの時間と乗降場所が決まっているのが特徴。
僕がいつも利用しているハイウェイ高速のように1時間前にキャンセルなんてことは出来ない。
当日は結局あいにくの雨予報。。
新宿西口を前日23:00に出て途中何度か休憩を挟みつつ4:30前にはトレイルヘッドの猿倉に到着。
まだ暗い中皆さん準備に余念がない。
幸いまだ雨は降っていないが空はどんよりとしていてそのうち降るだろうという感じ。
5:00に出発予定の僕たちの選択としては2つのコースがあった。
①直接白馬鑓温泉まで一気にアクセス。 この場合CT4.5で9:00には到着してしまう。。
②明日とコースが重なるが大雪渓をぐるりまわるコース。この場合CT10.0でなかなかの健脚コース。
さて。。
相談の結果、大雪渓を上がっていく側へw
若干雨が心配だけどまぁがんばるしかないね〜と。
猿倉から大雪渓へは林道を歩いていく。
このあたりは谷となっている為水が轟々と流れ込んでいる。
5:30頃に猿倉を出発して1:00程歩くと大雪渓の登り口のある白馬尻小屋に到着。
このあたりで心配していた雨が小雨に。。
きっちりと雨具に着替える。
僕はと言えば雨予報だというのにジャケットに下は短パン。
腰にタイベックシートを巻き付けて傘もち。
晴れ予報ならこれでもいいかもしれないけど、雨予報でこれはだめw
200gのレインパンツを省略する必要は無かった。。
いやぁ、失敗。
通り過ぎた人からは「傘だw」「短パンだw」と後ろで笑われてたみたいw
雨も少し強くなり、Picもこの通りまともに撮れないような状況。
晴れてたらそれなりに楽しいんだろうけどこの天気じゃ修行しているかのようなw
仕方ないので黙々と歩いていく。
ちなみに夏の大雪渓でアイゼンを装着している人がたくさんいたけど、
先人たちがつくってくれた踏み跡が固まっているため登りに関しては必要を感じなかった。
ま、装着するにこしたことはないけどね。
2時間程雪渓を歩けばようやく雪から脱出。
ところがここでどきどきしたのは雷。
ごろごろごろごろうるせーな!
何も無い場所での雷はホントいやらしい。。
雷は幸い長く続かなかったけど天気は降ったり止んだりの繰り返しでなかなか回復する気配もない。
このあたりも晴れてればなかなかの景色なんだろうに。。
9:30頃には白馬岳頂上宿舎へ到着。
八方尾根⇒親不知の時に通ったはずなのに見覚えないなと思ったらこのあたりは雪だったし宿舎は閉鎖中だったからか。
少しすると雨は強めの小雨になってきた。
小雨とはいえずぶ濡れになっているのでとにかくこの小屋で少し休憩させてもらうことに。
レインジャケットを着ていたにも関わらずなぜか肩半分程浸水。。
なぜだ。。これは後日検証しなければ。。
もちろん短パンだった部分も濡れている。
これが冬だったときのことを考えておかないとほんとに恐ろしい。。
外気は15〜20℃だったと思うが小屋にはストーブがあり、ありがたく使わせてもらった。
ここは通常の民営の営業小屋とは違い宿舎ということもあるのか、この時間からも少し食べることができた。
そして少し優しいw
11:00くらいからしか本格的なものは食べられなくてうどんや牛丼は食べれず残念だったけど
煮込みとおでんで体を温めることが出来た。
このあとどうするか決めていなかったけど、なんとか雨がやむまでいたいなとぼんやりと思っていた。
雨は相変わらず降ったりやんだりだったけど予報では昼からは降りはしない予報だという。
それならお昼前までゆっくりとするかと持参ビールをばw
小屋の中で1.5時間程休憩した頃には時折ガスが晴れたりと段々と回復してきた兆しもあり、
濡れてしまった服も乾いてくる頃でそろそろ出発しますかと外に出てみた。
雨もほぼやみかけていてなんとか先へ進めそう。
今回の旅に同行してくれるKotoちゃんは最近atlierbluebottle辻岡さんのとこから届いたというPac-03。
僕には少し大きいなと思っている容量ではあるけど、少し背負わせてもらうとさすがになかなか背負いやすい。
Kotoちゃんのザックはなかなかな重さだったのだけど、手で持つ重さより背負うと肩、背中、腰と
うまく荷重が分散される印象。
僕も同じくらいの容量の冬用ザックを作って2年程経つけど、こういう荷重分散の仕方はしないから参考にしたいなぁ。
僕のザックは最近頻繁に使っているMYOGザック。
2泊3日にも利用できるかテスト。
今のトコ上々。
稜線は強い風もなく、雨も止み、なんなら少し晴れ間も覗くんじゃないかという感じ。
こういう稜線が北アルプスの稜線よね。
ガスさえなけりゃな。。
本日初の一時の晴れ間。
これこれ。
こういう稜線を歩きたかったのよ。
杓子岳を巻き道で歩き、少ししたところでライチョウ発見。
人に慣れているのか今回はかなり近くでも見ることができた。
もう、冬の白い羽は抜けているのね。
白馬頂上宿舎を出てから2.5時間、13:30頃の鑓ケ岳を抜けたところ辺りで急激な眠気をもよおした。
ガスにまかれた単調なトレイルに飽きたのか、それともさっき食べたおでんとビールが消化されて血糖値があがったのか
それとも前日にあまり眠れなかったからか、ま、全部なのか眠くてしょうがない。
歩きながら半分以上目をつむりながらよたよたと歩いている状態。
こりゃイカン。。
「少し寝ていい?」「実は私も眠い。。」
偶然にもということで少しトレイルから離れたフラットになったところで
レッツ昼寝。
この昼寝がホント気持ち良くて。
熟睡までは至らなかったけど、横になって少し目をつむるだけで体はだいぶ楽になる。
最近、初日はいつもトレイルのどこかで寝ている気がする。
10〜15分休憩して少し歩けば2時前には白馬鑓温泉の分岐へようやく到着。
ここを降りさえすれば温泉だ!
温泉マークに心躍る。
ここからは下っていくのだけどようやく空には晴れ間が。
遅いわ。。
半分程トレイルを降りたところには、誰が書いたか分からないけど温泉マーク♨︎。
わかっているね〜〜
この辺りまで来ればもう到着する時間も見えてくるでしょ。
ほんとに今日は雲がかかったり小雨が降ったりと忙しいな。
レインジャケットも着たり脱いだりと忙しい。
小屋までの間にはかなり危なっかしい鎖場もチラホラと。
現に、90ℓくらいの重そうな荷物を背負ったおじさまたちはもう足もふらふらで目の前でかなり派手にこけていたし、
最後の疲れた場面こそ注意が重要。
Kotoちゃんもほぼ鎖場未経験でのここだったのでなかなかキツそうだった。
「どうおりればいいの?」ときかれて、「うーん。気をつけてスタスタ」
という意味の無い会話を今思い出したw
でもあまり考えたことが無かったのでどう答えるのが正解だったんだろうか?
ついたついた!!
15:00過ぎには小屋に到着。
猿倉を出てから丁度CT通りの10.0時間。
途中頂上宿舎で1.5時間程休憩したので85%くらいか。
明日の長丁場は心配ではあるけど、なんとかなるでしょ。
それよりテント張れるかが心配。
なんせ、HPには15〜20張り程度くらいしか書かれていなかったし。
散々検討して僕らが張れたのはホント一角。
上から見ても分からないけど、これが満杯状態。
実は空いているスペースはほぼ斜めになっているw
僕らが見つけられたのはホント偶然みたいなもん。
僕らが張ったあとにも続々と到着するハイカー達もいたが、張り面積の小さな人以外はそんなとこに寝れんの?
というような場所を選んで張っていた。
オソロシヤ。
僕たち二人はLocus gearのKhufu。
僕のは使い古して若干基盤できてしまったくらいだけど、神山さんにシルクスクリーンを入れてもらったおかげで
まだまだお気に入り感が薄れない。
そろそろマイシェルターでも作れば?と言われるけど、今のところこれで十分ゴキゲンに寝れるのでそれはまだまだ先だろう。
タープはまた違う楽しみがあるからまた違うのだけど。
そして、Khufuの端っこが浮いているのは実はここがかなりの斜面だからw
僕たちの寝床のすぐ脇には湯気を出しながら流れてくる温泉の小川が流れている。
そして、上を見れば何の囲いも無いところでの開放的な温泉が!
なんという開放感!!最高!!
早く入りにいきたい。
テント1000円入浴500円だったかな?
そんな値段どうでも良くなるくらいお湯につかりたい。
さっさと服脱いでで入ると、目の前には水着のおねーさんがw
そう。ここは実は混浴なのだ。
ま、みんな疲れているし、そもそも温泉に入ってサイコー気分になっているのであまり気にならないw
とにかくトレイルから帰ってきて温泉に入ることができるなんてサイコー以外ないわ。
ちなみに女性用は別棟にある。
そちらは入れなかったけどベニヤで囲われていて景色も見れないだろうにもったいない。
温泉目的な女性は是非水着等持参で入ってみるのがオススメ。
冬はまたここ最高だろうな。
だらだら温泉でやったあとはもう、お腹空くしビール飲むだけ。
家からもってきた角煮が沁みる。
こうやって写真で見ると木のうつわはいいね。
手触りもいいし、少しくらい重くなってもこういうところは譲れないかな〜。
1日目の晩飯は定番のカレー。
米炊いて、レトルトカレーというのがここ数年の定番。
なんせまだアルファ米を食べたこと無いからね。
自分調べでしか無いけどハイクあとの白米は翌日の回復具合が全く違う。
これがまた美味くてビールもすすむすすむw
ちなみにビールは今回は4本。
相変わらずこいつが重かった。
この時点で3本消費しているので明日はかなり荷物も軽くなっているだろう。