11月初旬の連休を使って迷走に迷走を重ねて決まった裏岩手温泉ハイクへ出かけてきた。
結果はこの一年で最も印象に残る旅になったんじゃないかというくらいの脳みそスパークする程の楽しさだった。
Day1(■)
Day2(■)
Day3(■)
Day4(■)
山と道JORNALS(■)
実はこの旅のことを「山と道JORNALS」の「Make Your Own Hike」というコーナーで寄稿してみないか?という
お話を事前に頂いていたのでこのポストもその後にしておこうと思い、こんな時期になってしまった。。。
ま、それだけという訳でもないのだけれどね。笑
もし興味がおありの方がいらっしゃれば改めてそちらも合わせてご拝読頂ければと思います。
「ハイキングは自由だ。どこに行って、何をしたっていいんだ。
『Make Your Own Hike』はお決まりのルートガイドから離れて、ハイカーが独自の視点で”Make”したハイキングの記録を紹介する投稿コーナーです。
記念すべき第1回目の寄稿者は、山と道とも親交の深いハイカーの佐藤大祐さん。
周囲に10箇所を超える温泉地が点在する裏岩手連峰縦走路を、気の置けない仲間と温泉と酒を目指して巡礼して歩いた、4日間のハイキングの記録です。」
山と道JORNALS(■)
さて、こちらはこちらでいつも通りだらだらと参ります。
ことのはじまりは、どこか連休でないといけない場所へ行こうという話になり、
延々場所を出し合いながら2週間、3週間たち、この連休の天気はかなり悪かったのもあり、
1週間前になっても行き先は決まらず挙げ句の果てに格安で遠方までいける高速バスもなくなってしまい、
車で行けるギリギリの距離となるここ八幡平が候補に挙がった。
なんせ、一番盛り上がっていた時には北海道から九州まで計画してみてたからね。笑
というのも、温泉をつなぐ旅をしようといくつか挙げていて最も良さそうなのがここだったのだ。
山と道の夏目さんと豊島さんが過去に歩いていたHike Logueが強烈に頭に残っていたからかも知れない。
とはいいつつ旅の目的地は早めに決めるにこしたことはない笑
ま、そんなことも含めて最高だったのだけど。
僕たちが歩いたルートはこんな感じ。
Day1:茶臼岳〜八幡平湿原〜八幡平避難小屋(避難小屋泊)/5.7㎞
Day2:八幡平避難小屋(避難小屋)〜裏岩手連峰登山口〜諸桧岳〜大深山荘〜松川温泉(キャンプ泊)16.8㎞
Day3:松川温泉〜三石湿原〜滝ノ上キャンプ場(休止中)〜滝ノ上温泉〜白沼〜乳頭山〜乳頭温泉(キャンプ泊)/15.7㎞
Day4:孫六(温泉)〜一本松温泉跡(野湯)〜黒湯(温泉)/2.8㎞総距離 40.72㎞
行動時間 Day1/4時間 Day2/7時間 Day3/10.5時間 Day4/3時間
最高標高 1613m
累積標高 2235m
岩手県の八幡平から岩手山までを背骨のように繋ぐ「裏岩手連峰縦走路」を歩きながら、
その周辺に点在する温泉につかり、お酒を飲める旅なんてそうそうできるものでもない。
当初は八幡平をスタートし、岩手山を経て秋田駒ヶ岳までをワンウェイでスルーハイクするルートを企んでいたけれど、
最終的に茶臼岳、八幡平を歩き、松川温泉を経て岩手山は迂回し、
乳頭山の先の乳頭温泉郷へ向かうルート(秋田駒ヶ岳はその先にある)に切り替えた。
裏岩手周辺はトレイルの途中に温泉が点在していることも多く、山深いエリアにもかかわらず
日帰りのショートルートから4泊を超えるロングルートまで臨機応変にルートを組むことができるのも
魅力のひとつだと思う。
前日は終電近い時間に今回の旅の友であるイッセイ君マイコちゃん夫婦の自宅へ集合。
そこからは一路盛岡へHikers Express(友人夫婦のクルマ)で東京から片道700 kmをブッ飛ばし、八幡平に到着。
東京から盛岡まで夜中中走って7時間越。なかなかな時間と距離だった。
前日の終電で都内集合してそこから高速に乗り換えてまさにノンストップエクスプレス笑
運転ご苦労様でした。
今回はワンウェイで歩くことにしていたため、八幡平までは盛岡から出ているバスに乗ることに決めていた。
そのバスが通る周辺の道の駅で最後の補給を行い、10:00過ぎのバスに乗り込んで旅はスタート。
バスに揺られること1時間と少し?
目を覚ましてふと辺りを見回すとなかなか美しい。
二人も同じように思っていたみたいで、「少し手前から歩き始める?」などと旅の初っ端なから予定変更笑
ま、確かにここから歩き始めるのも悪くないかも知れない。
と言う訳で我々の旅のスタート地点は茶臼岳からになりました。
天気予報では翌日から天候が崩れそうという情報を得ていたのでこの晴れはうれしかった。
抜けるような青い空とはこんな空のことでしょ。
1時間も経たずに茶臼岳山荘に到着。
このあたりからは右手に安比高原をのぞみ、遠くには岩木山まで見えた。
この八幡平あたりではBCスキーも盛んでとてもいいフィールドなのだという。
6月にはじめてやったテレマークスキーのおもしろさが頭から離れないので
いつかここにも冬の季節に来ることになるかも知れない。
小屋の中は、噂通りとても清潔で、このあとどこかで無人小屋のお世話になることも想定していたので期待がもてる。
小屋から見える目の前にそびえているのが茶臼岳。
山と高原地図で確認すると、茶臼岳山頂には一度登り返さないと行けない。
僕たちは山頂ハンターという訳でもないので、迷わずそこはスルー。
歩を先へ進めることにした。
山荘からはユルく下るトレイルが続く。
足下はコブシの2倍程度の大きさの小石が敷き詰められ、少し歩き難くなってきた。
足下があやしそうなところはところどころ木道が整備されている。
たぶんこの辺りが黒谷地湿原だろう。
11月ということもあってまわりは枯れ草色となり太陽が輝いてきらきらとしていてとても美しかった。
黒谷地湿原を越えると、時期は初冬ということもあり、足下には雪の積もったあともあり、
気温で融雪していてとても歩き難いトレイルが続いた。
足をとられたりして悪態つきながら周囲を竹やぶに囲まれたトレイルを歩いた。
安比岳分岐へ至るトレイルは雪もついていて少し危なかったかも。
でもこの上へ上へと続く木道がとてもよかった。
安比岳分岐を越えて木道の続くトレイルを進むとぱっと目の前が開ける場所に出た。
源太森周辺だ。
遠くには八幡沼が広がっているのが見え、周囲は尾瀬のような雰囲気。
これこれ。
今日は遠くまでは行けないことを覚悟していたけど、なかなかナイスな場所へ来れたね。
14;00を過ぎた頃、天気といえば陽が陰り始めていたが、源田森から続く黄金色に草枯れた湿地帯である八幡平湿原は
尾瀬のようにどこまでも広がっていくような空間でとても感激した。
秋になり日は短くなっていて夕暮れが近づいてくるのを感じ、
正直今日のハイクをどこで終えようかと思案しながら木道を進んでいた。
そんな折に八幡沼のほとりにひっそりたたずむ避難小屋を見つけた。
扉の窓から覗いてみれば暖炉付きではないか。
温泉を目指して蒸ノ湯温泉まで進むか随分迷ったが、暗くなってから寝床を探すのを億劫にも感じていたし、
そしてよく考えれば薪ストーブ付きの避難小屋で過ごす経験なんてそうそうあるものでもない。
この時期にはほぼ人が訪れることもないため、夜はこの薪ストーブ付きの避難小屋を貸切り状態で過ごすことに決めた。
陽が陰るのが早く少し肌寒く感じていたので速攻で火付け。
こんな時に焚火スキルがモノをいう笑
薪ストーブに火をつけて周囲を探索すると、この陵雲荘(避難小屋)は中央に薪ストーブを備えトイレ付きとなっていて、
壁際に配置された2段になったスリーピングエリアは5、6パーティー程度なら快適に過ごすことができそう。
あいにく水道は通っておらず、近くを流れる雪解け水か、八幡沼などの水場から汲むしかないため、
快適に過ごすには浄水器が必須だ。
実際に僕たちは近くの雪解け水をプラティパスにたっぷりと汲んで浄水してたからね。
調べると20分も歩けば八幡平レストハウスへも行けることがわかった。
このほぼシーズン終わりにレストハウスがやっているかわからなかったけどひとっ走り走っていってみると、
窓には塞ぎ板が填められ、レストハウスも終了かと思っていたがかろうじて自販機のみであればやっていた。
調子に乗って初日にも関わらずお酒を追加して僕たちは宴会モードへまっしぐら。笑
これが僕たちの3日間の食料達。
大半はお酒とおつまみ。
隠し持ってきた自慢の酒とツマミを小出しに見せ合いながら、早い時間から絶好調(笑)。