Day1:茶臼岳〜八幡平湿原〜八幡平避難小屋(避難小屋泊)/5.7㎞
Day2:八幡平避難小屋(避難小屋)〜裏岩手連峰登山口〜諸桧岳〜大深山荘〜松川温泉(キャンプ泊)16.8㎞
Day3:松川温泉〜三石湿原〜滝ノ上キャンプ場(休止中)〜滝ノ上温泉〜白沼〜乳頭山〜乳頭温泉(キャンプ泊)/15.7㎞
Day4:孫六(温泉)〜一本松温泉跡(野湯)〜黒湯(温泉)/2.8㎞総距離 40.72㎞
行動時間 Day1/4時間 Day2/7時間 Day3/10.5時間 Day4/3時間
最高標高 1613m
累積標高 2235m
散々昨日飲み散らかしてイイカンジに酔っぱらってしまった我々は薪ストーブの暖かい中でぐっすりと眠れた。
後で知ることになったのだがこの辺りの無人小屋の薪はボランティアだとか冬期用にとか様々な人が
少しづつ補充してくれているらしいのだ。
そんなことを知らずに緊急事態でもないのに薪をたくさん使ってしまったことを少し反省。
まぁ、次回いつかその薪を補充しにくるしかない笑
さて、昨日歩くことができなかった分は今日きちんと取り戻さなくてはね。
4;30起床でアサゴハンを軽くとってパッキングして出発準備。
ホントこの小屋には感謝しかないので丁寧に煤などの掃除をして次の人が僕たちのように感激できるようにしておいた。
完了。
さぁ、出発だ。
きっちり予報通りのばっちりミスト&レイニー。
計画通り6;00頃出発。
マイコちゃんは昨日のハイクでどうやら脚の調子を悪くしてしまったようで、
僕たちは当初目標にしていた秋田駒ヶ岳を越えるスルーハイクを早々に諦めることにして、
東北のトレイルをじっくりと楽しむことに決めた。
旅は柔軟でアレってやつだよね。
この日の目標を「今日こそ温泉!」に定め、鼻息荒く山を越えた麓の松川温泉を目指した。
本来はすぐに降りればいいのだけど、このガマ沼を少し登った先に八幡平頂上がある。
自分の登った100名山バッジを密かに集めているという人もいたので一応寄っときますか?
ということで頂上まわりで下へ降りた。
この濃い霧の中、なかなか先が見通せないでいたが、僕は昨日のレストハウスまでのアルコールランで
道を知っていたのでそこはばっちり。
レストハウスでは一組だけ観光客に出会ったがこんな霧じゃ楽しめなかったろうに。
僕たちもレストハウスの陰で準備を整え直していざトレイルへ。
裏岩手連峰登山口はレストハウスから10分程下った場所にある。
ちなみに冬期休業ということで僕らは断念したが、冬期以外の山行であればレストハウスから車道を少し下った場所にある
藤七温泉にも訪れたかった。
外湯だけでも5ヶ所の泥の混浴温泉があり、湯船からは絶景が楽しめるとのこと。
旅が終わって色々と調べていると宿は終わっていてもどうやらお湯は湧き出ているとのことで、
もしかしたら入ることができたのかも知れない。
行ってみるべきだったかなぁ。。。
小雨まじりの曇天の中を八幡平縦走路登山口からスタートしてミストハイクを楽しんだ。
山は晴れもいいが、霧もいい。
まさに雲の中を歩いている気分で嬉しくなる。
この縦走路の特徴として八幡平から松川温泉までは標高1500m前後の低山のトレイルが続き、
若干のアップダウンはあっても諸桧岳を越えれば残りは概ね下り基調となる。
楽に歩くことができるトレイルはテンポも良くなり歩いているだけで気分は高揚する。
八幡平側から歩き諸桧岳の次は前諸桧岳になる。
ダケカンバ林と周囲の霧で視界を塞がれて眺望は臨めないが歩いていて気持ちがいい。
嶮岨森はこのトレイル上で「断崖」と呼べる場所だけどはっきりいって大したことはない。
天気が晴れていれば何にも阻まれることのないこの場所はとても展望が良さそうだ。
このトレイルではダケカンバ林が風を防いでくれていたので傘を使っていた。
僕のはモンベルの折り畳み。いっせいくんのはユーロシウム。
なんとか両手をフリーに出来ないかなんて話をしていて二人ともほぼ同時に背中に挿すことをコトを思いつき
なぜかそれをマイコちゃんに見せびらかせる二人。
でもこんななんでもないことがその時は結構楽しく、後で思い出すのは景色の美しさなんかよりこんなことだったりする。
一人旅が多い自分にとってはとても楽しい時間だったりする。
ふざけ合いながら山頂をあとにゆるやかに登るとアオモリトドマツに囲まれた大深山荘に出る。
僕らは十分な水をもっていたので行かなかったが左手にわずかに行けば水場があり、
夏には一帯にはお花畑が広がっているようだ。
小屋の中は非常に清潔で雨の中からすれば天国みたいなもの。
小屋を出るのが惜しくて惜しくて。。
小屋に貼られていた手ぬぐいがイカしてた。
僕たちは茶臼岳から歩いてきていたので案外きちんとルートに乗っているようだ。
50㎞でアップダウンの少ないこのトレイルはトレイルランにも良さそうだ。
下山後は温泉と美味しい食べ物もあることだし。
東北、魅力的だな。
こうやって写真を見返してもこの日のミストハイクは最高だった。
薄らと霧の先に伸びるトレイルがとても美しいのだ。
大深岳へ向かう分岐を左に入る。右側を進めば源太ヶ岳を歩けるが僕らはもちろん巻き道側を歩く。
ハイマツの稜線をたどりながらくだっていく。
秋なので見ることは叶わなかったがここも春や夏の時期にはお花畑になるようだ。
松川温泉へのルートはこの裏岩手縦走路の中でエスケープルートとして設定されている。
下るにつれて半円状にえぐれたトレイルが続く。
ふと空を見ると段々と青空が出てくるではないか。
この空の嬉しかったこと。
なんだかんだいっても天気の良いのが一番というのはいうまでもないね。
地面がえぐれて歩きづらいトレイルを抜けると落ち葉ふかふかの下り基調のトレイルに出る。
このあたりでずっこけ祭りで爆笑になる笑
誰かがこけるだけでなぜあんなにも面白いのだろう?
とにかく笑い転げながら歩いていく。
朴の木の落ち葉で仮面を作って遊ぶ笑
やっぱいいね。
誰かと歩くってのは。
そして、すっこける笑
下っていくにつれ周囲の植生も変化していきブナ林となっていく。
そして登山口へ到着。
歩きはじめて5:30てとこで11:30の到着。
スピードとしてはコースタイムの90%てとこかな。
途中からマイコちゃんの膝は痛みが激しくなっていたようでキツかったみたい。
まだまだ行ける感じもあったけど今日はここでおしまいにしよう。
とにかくお風呂に入ろう〜!!
この松川温泉は日本初の地熱発電があるところで有名。
開湯は280年前といわれる。3軒の温泉宿が存在。おのおのの宿が敷地内に源泉を持っている。近くには日本初の地熱発電所である、松川地熱発電所が存在。地熱発電所から得られる温泉は、当地では用いられず東八幡平温泉まで引湯されている。地熱発電立地は温泉を掘削した際に蒸気が多く噴出することが契機となった(地熱発電には蒸気が必要)。Wikipediaより
3、4軒?のうちの一番トレイルから近い峡雲荘のお風呂に入ることにした。
偶然僕たちが入った峡雲荘は秘湯マニアにとっても人気があるのだとか。
少し行儀が悪いが疲れ切った体にはやっぱりビールでしょということで残していたクラフトビールを開栓。
缶だけど。。
ビールを飲んで酔いどれてくると歩いた疲れもあって「誰もいないし日本酒もいっちゃう?」なんて展開に。笑
いっせいくんは普段から日本酒党らしくぐいぐいと。
僕もここ最近日本酒に目覚めていて特に米の味わいが強く感じることの出来る純米酒を中心に飲んでいる。
お酒ばかりの話になったが、肝心のお湯はというとお湯は乳白色で少しぬるっとしており、
じんわりと体が溶けていくような気持ち良さだった。
これは「山を歩いた後の温泉」でしか味わえない快感のひとつだと思う。
Wikipediaにもあったが、宿毎に源泉の場所も違うようでお湯の感じも違うのだという。
機会があれば他の宿の湯にも入ってみたい。
たっぷりと温泉に入り、風呂ビールにほろ酔い気分の僕たちは、今夜の宿を見つけなくてはならなかった。
宿の人に「近くに『松川キャンプ場』というのがあるはずなのだけど」と聞いてみると、
実はこの宿がキャンプ場の管理をされているそう。
冬季のため既に閉場しており、この寒い時期に物好きだねぇと特別に使用の許可を頂けた。
あとから知ったことだけど、この辺りのキャンプ場や宿は一部を除いて10月中には閉まってしまうとのことだった。
ギリギリアウトな時期に来てしまったみたい。
でもそれだけに人に会わないトレイルを楽しむことができた。
温泉から4,500mも歩けばキャンプ場に到着できる。
少し小高い丘にあるキャンプ場の為ビールに酔った我々には長い道のりだった笑
当然我々以外は誰もおらず場所も選びたい放題の最高なキャンプ場。
到着してシェルターを張ればまたもや昨日の続きで宴会モード。
温泉に入ったとはいうものの15:00を前にしているので少し肌寒く、焚火がてら宴会開始!笑
泊まりハイクの時は最近木炭か炭に代わる燃料をもっていくことにしている。
こいつがあるだけで焚火の消火防止にもなるし熾火がなくてもその代わりになる。
便利な代物なのだ。
少し早いが朝からほとんど何も食べていないため夕食の準備もはじめる。
最近はハイク時の食材を買いにいくのはナチュラルローソンが多くなってきた。
珍しいものがあったりと嬉しい。ちと高いのが難点だけど。
数日を伴うハイクの時はいつも米を炊いて食べることにしている。
翌日のパワーが違う気がしている。
今回は安定のカレー。普段食べないような本格的なレーでかなり美味い。
量が通常180g〜210gくらいのところ100gなので2種類の味が楽しめて嬉しい。
ごはんを食べてしまえば事前に拾ってきた焚き木での炊事場での焚火開始。
こんなこともあろうかとPicogrill85をもってきたのだ。
なかなかおおぴらにできるものでもないのだけど、やはり焚火のあるハイクはたまんないね。
若干一名早々に日本酒で撃沈して気持ち良さそうに流し台の下でルンペン化している人が。
彼はこの後火の粉をかぶってマットをパンクさせてしまうということは知らない。笑