山の中へ入ると幸運なことに適当なステルス泊適地が見つかって僕たちはそこで眠った。
夜は少し雨が降ったようだった。
どうやらそれぞれ体調も悪いようで秋田駒ヶ岳へいくことは早々に諦めたので今日はゆっくりの朝。
6:30頃にもぞもぞと起き出しアサゴハンを食べてゆっくり過ごした。
相談した結果、今日は温泉をじっくりと楽しもうということになった。
ちなみにこちらはイッセイ夫婦がJMTを歩いた時にもっていったMYOGシェルター。
あまり近くでじっくりと見る機会もなかったのでよくみてみた。
二人用シェルターで700g台、フロアレスでXフレームにすることで耐風性が高まるというのは実はあまりないかもしれない。
サイドで引っ張ることで室内を広くすることも出来るし。
確かにいいとこついているかもね。
と、いうわけで温泉へはりきっていってみよー。
こちらが乳頭温泉郷のマップ図。
昨日は中央あたりに位置する休暇村のお風呂に入った。
もちろんお湯も良くて露天と内湯のそれぞれが違う源泉かけ流し。
ホテル完備のため乾燥機まで完備してあって至れり尽くせり。
今日これから向かおうと思った場所はまず一番早く9:00?10:00?くらいから日帰り湯が楽しめる孫六へ。
この中の鶴の湯は一番の歴史あるお風呂なのだか。
乳頭温泉郷には、僕たちが入った孫六、後で入った黒湯の他にも、野湯を含めれば7ヶ所の温泉場があり、
日帰り湯のできる宿が充実していて、すべてが徒歩圏内(鶴の湯は若干距離がある)にあるのも良いポイントかもしれない。
一日では全てをまわり切ることは出来ないかも?
こちらが朝イチで向かった孫六温泉。
冬にはこんな素敵な風情になるのだとか。(画像はHPより拝借)
温泉内には離れのようになっており、宿と温泉を行き来できるようになっている。
それにしても冬のこの温泉は最高だな。
受付で料金を払いハナレのうちの一つの小屋に入るとひっそりとした内湯があり、小屋の外には露天風呂が広がっていた。
既に風呂に入っている人もいて話を聞いてみると東京から湯治にきたのだそうな。
今でも湯治客が長期間ここで体をケアしにくるみたいだ。
風呂の中でこれからどうしようかね?なんて話していると、昨日通った一本松温泉の話になった。
ここからは歩いて30分程度だし、何よりあの野趣溢れる温泉には行ってみたくはないか?と。
もちろんもちろん!!
そうなると話は早い。
まいこちゃんは足の調子が良くないのでこのあたりの温泉を巡ってもらい、最終的には黒湯で落ち合おうということになり、
女の湯の小屋で神田川的に声をかけて僕たちは昨日来たトレイルを再び登っていった。
湧いておる湧いておる。
昨日の通り丁度いい湯温。
そうなりゃ早速入ってみよう!
僕たちは妙に高いテンションになり興奮していた。
こんな風な野湯は初めてだ!
少しビールと果物とつまみをもってきていたので誰に気兼ねせずともプシュッとね。
いやぁ、最高最高。
ここはトレイルを30分も歩けば到着できる。
この一本松温泉は昔は宿だったそうなのだが現在は野湯になっていて、
先人達があとから来た人のために湯船を掘ってくれており、近くの岩の間から硫黄臭のする湯が滲み出し溜っている。
湯温が高い場合は隣に流れる川の水をこれまた先人が用意してくれたホースを使ってひき入れるという野趣溢れる温泉だ。
ここは脱衣所もなく女性にとってはなかなか人目が気になるかもしれないが、
このプリミティブな野湯を僕たちはとても気に入った。
もし乳頭温泉郷に来たのなら、こここそ入った方がいいんじゃないかと思う。
散々ゲラゲラ笑って楽しい時間を過ごしていたら時間はもう13:00前。
そろそろ戻りますかということで元来た道を戻っていった。
僕たちが一本松温泉でくだらないことで笑い転げていた頃、マイコちゃんは黒湯へ移動していた。
僕たちも同じように黒湯へ移動。
これで乳頭温泉郷での温泉は4箇所目になる。
さすがに入り過ぎ?
いやいや。
何回入っても入り足りないくらい。
黒湯
開湯は約300年前。発見は1674年(延宝2年)頃と推測される。温泉郷内では鶴の湯温泉に次ぐ歴史があり、鶴の湯に因んで亀の湯の別称があった。一軒宿の「黒湯温泉」が営業する。茅葺、杉皮葺屋根、周囲の雑木林から伐りだした木材をそのまま利用した露天風呂、湯小屋など、鄙びた外観が特徴である。内湯を3つ、露天風呂を2つ、打たせ湯を2つ有する。古くから湯治場であった伝統を色濃く残し、秘湯ブーム以降、観光地化した現在でも旅館部の他に自炊部を置く。湯治客のほか、古くから登山客の利用も多い。同じく一軒宿の孫六温泉とは、川にかかった人道橋を徒歩で渡ってすぐのところにある。
wikipedia
少し食事処で休憩してまったりとして、もう一度ハナレの露天へ。
これがまた気持ちよかった。
でも15:00前だしそろそろいい時間。
これから東京まで車で戻らなきゃだしこの旅もどこかで終わりにしなきゃね。
この日合計3ヶ所の温泉を巡った我々はそろそろ旅を終えるべきじゃないかと感じていた。
まずは腹ごしらえをして考えようと選んだのはハイカーの方なら分かると思うのだけれど、
お肉。
できれば温泉地の近くだといいねと見つけたのはその名も「ジンギスカン食堂(みどり荘)」。
店の昭和レトロな風貌も含めてとても最高だった。
ここなら次来た時にも人に紹介できそう。
久しぶりの下界の味に触れたときに、唐突だったけどなぜかやっと僕たちの温泉ハイクは終わった気がした
僕たちが旅の秘かな目標にしていた「八幡平から岩手山を経由して秋田駒ヶ岳を超える」というスルーハイクは
できなかったけれど、そんなことはちっぽけなことで、タフなハイクもできたし温泉の素晴らしさに感動して、
十二分に満足できる旅になった。旅の間中、3人とも笑顔が絶えず、素晴らしいハイクができたのがなにより嬉しかったし、
温泉をつないで歩く旅に毎日僕たちはとてもわくわくした。
この裏岩手エリアには、山中、麓を合わせれば10箇所を超える温泉地があり、そのそれぞれの温泉地に複数の温泉が存在する。僕たちが体験したのは全体のほんの一部だったかもしれないが、それでも歩き疲れて入る温泉に十分満足できたし、
ハイキングと温泉の素晴らしさを改めて感じた。
帰りの車中では、「最高だったね!」といつまでも続き、既に裏岩手を懐かしんでしまうくらいだった(笑)
自由なハイキングと温泉は本当に最高だった!!
日本の国土は70%を山岳地帯が占めるという。その狭間には日本中至る土地に温泉が湧き、近くには街もある。
世界中見渡したってこんなロケーションは日本特有ではないだろうか?
素晴らしい!素晴らしい!
さぁ次はどこをつなぎ、歩こうか? ドキドキするような旅をしよう!
Day1(■)
Day2(■)
Day3(■)
Day4(■)
山と道JORNALS(■)