9月半ばの平日3日間でCircles主催の「RIDEALIVE2017 八ヶ岳 "Toe to Top"」を楽しんできた。
2泊3日の衣食住の全てを積んで八ヶ岳の麓から頂部までチャリンコとハイクで繋ぐ"TOE to TOP"へ。
こんな機会はなかなかない。
しかも、久しぶりに「山と道」の夏目さんと歩けるのもとても楽しみだった。
Day0(■)準備編
Day1(■)
Day2(■)
Day3(■)①Hike
Day3(■)②Bike
Ride Alive 2017 'TOE to TOP'(■)
"RIDEALIVE"は名古屋Circles主催で2014年から続いている"Bike+α"のイベント。
Bikeと掛け合わせて旅だったり、遺跡だったり、サウナキャンプだったりを合わせて遊んでいてとても楽しそう。
イベント開始の2014年に三河に集まるイベントを知った時はとても行きたかったけどなかなか都合を付けられず断念。
その後もタイミング合わせることができなかった。
別件でバイクパッキングのイベントでMTB狂達と酒を飲みかわす機会もあったり、トレランレースの「スリーピークス八ヶ岳」
には毎度自転車×キャンプの形をとって参加していて自転車の可能性を感じたり体感していたので
いつかは山からダウンヒルを楽しんでみたいなと思っていた。
それも自分が今毎日乗っている自転車のBD-1(Birdy)18インチで。w
それがこの機会、今回の企画になにか縁を感じて参加することにした。
自転車パートのアンバサダーSimworksもんじゃさんのとても素敵な文章。
"自転車が大好きだった忌野清志郎の楽曲"サイクリングブルース"は、峠に登る時に考えるのは好きな女の事だと歌う。一方で山での狩猟を生業とするマタギは山に女性の事を持ち込むのは禁忌とされる。
山に入る時、人は何を考えるだろうか?
自転車とハイクを一緒に楽しむ試みはすでに始まっている。三重編はBIKEtoHIKEだったし、OMM LITE/BIKEのようなトレイルランとバイクの同場所同時開催のレースもある。
どっちも面白いという事は確実だけれども、自転車で山に登るのとハイクで山に登るのはずいぶんと心持ちが違うように感じる。
今回は、山と道の夏目さんと一緒に、八ヶ岳の裾野から山頂までをバイクとハイクで辿り、山に遊ぶことで得られる経験や知恵といった少し曖昧な部分からその違いと共通点を考えたいと思う。
例えば、道具の事。山と道というメーカーのベースにあるウルトラライトハイクというのは、荷物を軽くしてより遠くへ速く楽に移動するという考え方だ。でもそれは自転車でいう、車体を少しでも軽くして速く走るというのとは少し違う。どちらかというと、ジャージのバックポケットに何を入れていくかを考察する事に近いのかもしれない。つまり、山で活動するための最低限の装備を見極める事にある。夏目さんのU.L.ハイクの考えを聞いていてとても面白いと思うのは、山に行く時に自身が背負える量と行動できる距離を正確に把握する事は、普段自分が生きていく上で抱え込めるモノや価値の重さを考える事につながる、という話。大量に流れてくる情報や商品の中で、その機能や価値を理解して、自分の能力や目的に合ったものを厳選していくというプロセスは、そのまま生活に応用できるのだ。
自転車でダートを走って山に分け入ったり、バイクパッキングで遠くまで走る事が多くなっている中で、その経験から得る知恵についての話題を(寡聞なだけだとは思うが、)ほとんど見かけない。 自転車と徒歩のスピードの差からくるのかもしれないなと感じたりもする。自転車は山でスピードとバランスをコントロールすることで精一杯だ。
一方、ハイクの方は、山で得る豊富な体験と日常の生活はどう折り合いをつけているのかずっと気になっている。スルーハイクのスルーという考えや、夏目さんのいう、山に入って数日経つとで日常と非日常が入れ替わる瞬間があるといった感覚は山でしか得ることができないのだろうか。移動の道具としての自転車は、その日常と非日常をうまくブリッジできる。「自転車に乗ってちょいとそこまで歩きたい」という高田渡の"自転車にのって"にある感覚を、隣町から山の麓まで広げるイメージで。
あまり難しい哲学や悟りのようなものではなく、山に行く時に何を考えているかを今いちど意識してみたい。それは山を楽しむ事にも、生活を楽しむ事にもつながっている。そのために、山の裾野から山頂までを、時間をかけて辿って考えてみたいのだ。そのために仕事まで休んで。
“TOE to TOP”つま先から頭のてっぺんまで。山の裾野から頂上まで。生活の端から端まで。どこかで区切ってしまわずに、一連の流れとして、楽しみ、考え、生きること。山の裾野から稜線や山頂までの全行程を、バイクとハイクを手段に全身で辿るアクティビティ。バイクパートをSimWorksが、ハイクパートを山と道がそれぞれ受け持ちつつ、領域横断的な1つのループルートに八ヶ岳で挑む。装備は必然的に軽く小さく。道具を考えるところから山ははじまる。"
気になるコースはこんな感じ。
Day1(■)野辺山駅(Bike)〜南八ヶ岳林道(Bike)〜本沢温泉
Day2(■)本沢温泉(Hike)〜硫黄岳〜赤岳鉱泉
Day3(■)赤岳鉱泉(Hike)〜赤岳〜横岳〜硫黄岳〜本沢温泉(Bike)〜Dill〜小淵沢駅
コース図の点線はBikeパートで50~60キロくらいかな?
Hikeパートは3日間の総距離で25キロくらいなので、1日あたり8キロくらい。
ハイクだけなら2泊もあれば十分な距離。
そしてエントリー条件を含めてこんな条件があった。
エントリー条件
キャンプ道具のほとんどを積載した自転車で100km以上の走行可能であること
2泊以上のテント泊で7時間/1日の行動時間を動けること
バイク必須装備
- 26c以上のタイヤ
- 装備を積載できるキャリアやバッグ
- ボトル,ハイドレーション
- パンク修理キット
- 輪行袋
- 鍵,ライト
- ヘルメット
- 水または飲み物(2L以上推奨。1日目のキャンプ地で水を補給できます。)
- コンパス(方位磁石)
- 透湿・防水性のあるレインジャケット・上半身用防寒ウエア(ダウンや化繊など)
- 寝袋
- エマージェンシーシート、又は防水シェラフカバー
- リュックサック
- 健康保険証(コピー可)
- ファーストエイドキット(ばんそうこ、包帯、テーピングテープなど)
- ライト&電池
- 行動食
- 食料2泊分
- お湯を沸かせるクッカー、燃料
- 携帯電話
- テント
- 持っていく装備を一度全てはかりで測ること。
- ハイク時に背負う装備一式の重さを4.5kg以下(食料と水を除く)にすること。
バイクもハイクも大きな問題はなさそうだったけど面白いのは「その他」の項目。
「持っていく装備を一度はかること」
「ハイク時に背負う装備一式の重さを4.5kg以下(食料と水を除く)にすること。」
一緒に行く人たちがどの程度ハイキングをしているのかはわからなかったけど、なかなかハードルの高い条件かも。
僕自身はハイクの道具は全て揃っていたので特に心配する必要もなく、特別測ることもしなかったが
恐らくは3.0〜3.5キロくらいじゃないかな?
十分十分。
それよりも心配だったのがバイクパートの「26C以上」という項目。
なんせ乗ろうと思っていたのはBD-1(Birdy)18Cの自転車だったから。
色々な人からそりゃ無理だなどと言われていたが、なんだって試してみないと分からない。
どうしてもこのチャリンコ(というかこれしかないし。。)で走りたかった。
もんじゃさんからも想いのある自転車でともいってもらったし。
それにしてもこんなに小さなミニベロで山の中を走れるだろうか?
前日は寝ずにアレコレとパッキングしては荷を解き、また組合せをしていた。
チャリンコ混ぜての山旅はやりたかった分野だったので久々に自分にとっての新しい試みにワクワクした。
Packing gearでMYOGしたものはもちろんだけど、あえて新しく作らず工夫して成立させる試みもしてみた。
メシ酒水全部合わせてジャスト6キロ。
成功でも失敗でも楽しいことになりそうな予感がしていた。
そこで出発までは心配の種だったチャリンコのプチ改造をしていった。
この準備が久しぶりでまたなかなか面白かった。
グラベル、ダートを走るためにいろいろ交換や追加をしてみた。
自分でやると道具に愛がわく。イトシイ。
まず換えたのはハンドルとタイヤ。
大物は18インチのオフタイヤやカーボン製のシートポストやハンドル。
ハンドルは台湾から取り寄せたアナトミックシャロー形状のドロップをワイドにMountainDropにアレンジしたハンドル。
ほとんどメンテもしていなかったので結構心配だったけどなんとかなった。
サドルはタイオガのスパイダーに変更。
これは八ヶ岳へ行く前に撮った一枚。
行く前に毎度のことながらミシンでハンドルバッグとフレームバッグをMYOGしていった。
こちらはハンドルバック。
というより工業用の厚手のビニールの両端を留められる仕様に変更したもの。
それ以外なにも使っていないのでハイクでの絶対に濡らしたくないものを入れておくのにもいいかも知れない。
このビニール製というのが結構気に入っている。
破れたらシールカスタムで塞いだりしながらね。
こちらはフレームバッグ。
フレームにストックをつけられて便利になった。
フレームバッグを作るのは初めてのことだったのでイマイチ作り方がよく分からなかった。
四苦八苦しながら形にしてみたらなかなか上手くいってお気に入りになった。