もはや恒例となったスリーピークス八ヶ岳トレイル。
過去23㎞、38㎞と出場したので今年はボランティアで参加。
大会を支える側の気持ちも知りたくて。
[過去の参戦]
スリーピークス八ヶ岳トレイル2015_23K(■)
スリーピークス八ヶ岳トレイル2016_38K(■)
3年連続で同じキャンプ場の「八ヶ岳オートキャンプ場」にお世話になってきた。
ここは会場からチャリンコで10分程度ということでチャリ持参しての僕の本拠地。
「今年も会えたねぇ」「お互い死んでなくて良かったよ」なんてばかな会話をしながら受付を済ませる。
僕の他には3〜4組程度しかいないという穴場なキャンプ場。
なんでみんなホテルがいいんだろうか?
部屋の良さは重々承知しているけど八ヶ岳まできたら外で寝たい。
僕は焚火が出来るこのキャンプ場が大好きで毎年通っている。
今年はタープスタイルをやめてハンモックスタイルで。
ハンモックはすぐに張れちゃうしホント便利。
今年のベストギアかも。
とか言いながら、この日は天気の具合が悪く、空からぽつぽつときていたのもあって空がちと心配ではあった。
そして、夜中に予感的中w
案の常ばしゃばしゃと降られたww
とにかく、寝床の設営を終えてチャリンコを漕いで会場へ。
前日ボランティアでの手伝いは会場での受付。
こんな髭面の野郎が受付に立ってしまっていいのだろうか?なんて思いながらも、
受付の重要さは分かっているつもりなのでなるべく笑顔で丁寧に。
受付の仕事はゼッケンと参加賞とパンフ一式を渡して重要な決意表明(自己責任的な文言のアレ)を受け取って
明日のレースを頑張れと伝えるだけ。
僕は38キロ、23キロの両方の受付になったのだけど、
「今年はやるぜ!」的な人や、「走れるかな。。」なんて人がいて自分の初レースを思い出したし、
みんながんばれー!な気分になった。
小山田さんと慶さんのオモロコース説明と、重要な激励があったり、
ボラメンバーは2時間に一度ボランティア用の説明会が開かれていた。
僕が参加したのは最後の16:00〜の回。
基本はみんな事前に配られるマニュアルを読み込んだり持ち込んだりしているようだったけど、
自分は自分の参加する時間と役割を確認してきたのみだったので聞くことができて良かった。
※普通の方はみなさんきちんと準備されていました
「〜ポイントまでは車で〜まで送ります」とか、「〜ポイントからは自力で歩いて」とか
かなり詳しいことを簡単に打合せ。
このスムーズな進行はもう、今年で5年目という回数をこなしてここまできたという他無いんだろうなと思えた。
松井さん、小山田さんも常に真剣な目でまだ足りないなにかがないか?を常に探しているようだった。
ここで気付いたのは彼ら二人の口癖。
「選手たちは〜」「選手にとってこれは〜」「選手は〜」
常に選手のことを案じて、その為になにかできないかという姿勢だと思った。
これが実行委員の顔だ。
ちなみに僕の役割はC1という38Kの人が権現岳への分岐を上がった一番初めのチェックポイント。
ここで選手達を迷わせず、そしてここから始まる長い登りにゲキを飛ばす。
そんな大事な役割w
みんながんばれ。
17:00を過ぎたころ、全ての選手の受付確認が取れたところで受付ボランティアも解散。
僕も片付けを終え、他のみんなが前夜祭に繰り出すところをひとりキャンプ場へ。
なんせ焚火しなきゃだからねw
戻ってきた時くらいから空からポツリポツリ。
やめてよもう。。
急いでタープを張った。
このタープは家を出る時に、まだ隙間あるしそんなに重くもないからもっていくかというような
気楽な気分で持ってきたのだけど、持ってきておいて良かったw
タープが張れたところで近隣挨拶も済ませて焚火開始。
晩ご飯もほとんどが焚火台で焼けるようなものとビールのみ。
いやぁ。
前夜祭ももちろん楽しいんだろうけど、これはこれで楽しい宴。
焚火はこのあとうつらうつらしながら朝の3:00か4:00頃までやっていたので10時間以上はやっていたのかな?
薪は二束買ってあるので問題なし。
夜、大雨が降ってきて心配になったけど結局タープの隙間から漏れてきたくらいでで大きな心配も無かった。
ハンモック泊、なかなかいいな。
雨は1:00か2:00くらには降り止み翌日の選手たちの路面コンディションなんかが気になった。
Day2
翌朝は5:30に会場に集合だったので4:00起き。
寝落ち合わせれば2〜3時間くらいの睡眠かな。
今回のスタッフTシャツはこんな感じ。
普段は着れないかなぁ。
でもスタッフは一目でスタッフと分かる必要があるからこういう色になっているんだろう。
焚火の炭がまだ燃え残っていたのでハンモックなんかを片しながらパン等を焼く。
朝から焚火が出来ていい気分。
晴れた!!
夜中には降っていた雨も止んだしいい天気になった。
さて出発。
この道をまっすぐに行けば10分で会場に到着。
キャンプの朝は清々しい。
自転車を漕ぎながらわくわくしていた。
会場に到着して自転車をとめて皆に混じる。
朝5:00過ぎというのに当たり前だけどボラの人たちはちゃんと集合していた。
ポイント毎に配車がされていて近くのポイントの人たちと同乗していくのだ。
みんなが口々にしていたのは「晴れて良かったね」という言葉。
当然ながらいい状態で走れることをボラの人たちも喜んでいた。
僕のポイント(C1)は会場から15分くらいかな。
観音平エイドまで車で送ってもらってそこからは徒歩でポイントまで移動。
時間も6時過ぎなので森の中に射す陽が気もちいい。
ボラにきて山の中も歩けるとは思っていなかった。
登りだったけどハイキングが出来て楽しい。
キャンプ場での気温が10度〜13度くらいだったので標高を上げたポイントでは軽く10度を下回る気温だったかもしれない。
短パンはちょっと無理な感じ。
でもこの朝陽が燦々と降り注ぐ中歩くと、上に着ていたシェルを脱がないと汗ばむくらいの暑さになった。
そうそう。
僕は配車に乗る前に受付テントのゴミ置き場からダンボールを拝借していたのだ。
マジックは書くタイミングがあればと一応家から持ってきた。
走っていて、いつも考えるのは「次のエイドまでの距離」「今全体のどの辺か」「あと登りはどれくらいあるか」など。
そして、僕たちC1はここから650m程の急登の入り口なのでそのゲキを飛ばす。
主にインフォメーションボードしか作らなかったけど精一杯の気持ちをw
そうこうする間にスタートの7:00が近くなる。
僕は来るときは短パンできていたのだがポイントでは寒くてそのままではいられない。
でもダウンパンツもレインパンツも忘れてきてしまったので今あるものを全部身に付ける作戦。
寝間着にしていたウールタイツを履いてその上から短パン履いて、その上にはタイベックシートを腰巻きにして。
見た目はちと変態風だけど意外と温かい。
上はTシャツと薄手ダウンとレインシェル。
これから昼まで陽が当たらないところでこの格好で過ごさなくては。
今年も応援グッズとしてAnswer4のカウベルを持ってきた。
手に持っている白いのはそれ。
手渡された無線からは続々と情報が流れてくる。
全てのポイントの誘導員配置が確認された頃にはロング(38キロ)のスタート7:00となり、
無線からスタートの号砲とアナウンスが流れてくる。
下のポイントを続々と通過するトップ選手達の様子をうかがうのはなかなか面白かった。
スタートから1:00も経たない内に選手が登ってくるようだ。
初めて僕たちが応援した選手はトップの上田瑠偉選手。
登りもすいすいと走っていてかっこ良かったな。
そして結果としてはこのまま3:53という驚異的な走りでそのまま1位通過!
そこからは続々と選手が駆け上がってくる。
知り合いの顔もチラホラと見えて応援のしがいがある。
それにしてもみんな笑顔がいい。
こんなに笑顔で楽しんで走る人がいるレースはここだけなんじゃないかと錯覚してしまうくらい笑顔が印象的だった。
続々とランナーが登ってくる。
トップランナーとの違いはこの傾斜でも走って駆け抜けられるかというところ。
僕たちもせめて僕たちがいる区間くらいは頑張れるようにしたくて声を上げて檄を飛ばす。
女性にウケてたのはなぜ言い出したのかは完全に忘れたけど、「かわいいぞー」だったw
「かわいい」っていつ言われてもいいのねw
みんなキツそうな顔がにこっとしていて良かった。
ここから38キロのそれぞれの物語が始まるんだ。
がんばって!
10:30を過ぎると僕たちのポイントを過ぎる選手はいなくなる。
ここで僕たちのポイント分岐誘導業務完了。
ここから1:30くらいは待機時間。
というのももし山頂近くでランナーが体調を悪くした場合、僕たちもその救助にあたる必要があるから。
そんなことまで想定しているとは想いもよらなかった。
最終ランナーが峠を越えたことを確認してから麓の我々も任務完了。
撤収。
選手が低体温になった時に暖かい飲み物を提供できるように持たせてもらったガス缶を拝借してお昼のお弁当タイム。
配給されたお茶を温めて、温かい飲み物が沁みる。
ずっととまっていたので意外に寒かったし。
権現岳分岐まで降りてきて出逢ったのは「道がまっすぐ」のインスタやFBなどでよくみかけた
工作好きのポルシェさんが作った応援ボード。
めちゃくちゃ手が込んだ作りになってる!立体だし!
選手がみたらうれしかっただろうな。
マーシャルで走っていたチヒロさん。
相変わらず爽やかに楽しそうに走る人だ。
フイナムでお会いした榎本さんもがんばってた。
僕たちは撤収しながらトレイルのゴミを拾うってことをして降りてきて、
観音平エイドの手伝いに参加しようかと思ったが、意外に人も余っているようなので配車で会場へ。
会場では昨年から恒例になったゴール後の荷物チェックが行われたりしていた。
ゴール後の選手を讃える人たちでいっぱいだった。
僕もビール片手にゴールの為に頑張って着た人たちをカウベルでお出迎え。
RBRGスタッフのゆかりちゃんも頑張ってゴールしてたみたいだったしよかった。
コース分岐で会ったときはかっこ良かったな。
そして、今年も去年に引き続き最終ランナーまで見届けることにした。
やっぱり今年も涙してしまった。
その場にいた僕と同じく最終ランナーを見守る人たちは温かい拍手を送っていた。
僕もカウベルを鳴らした。
選手はみんなに感謝してた。
走ったことがあるからきつかったのわかるし、がんばったこともわかった。
よくがんばったなーとしみじみと。
小山田さんも最後の誘導フラッグを回収して戻ってきた。
実行委員長の松井さんは毎度のことながら涙でぐしゃぐしゃになっていたし、
小山田さんも最後の挨拶で全ての人に感謝という趣旨で締めくくった。
松井さんたちは常に感謝を忘れず、ずっと「ありがとう」「感謝している」を繰り返していた。
僕が見た選手達もみんな「ありがとう」を口々につぶやいていた。
こんな風に「感謝」が連鎖するレースが他にもたくさんあるといいなと思っている。
今回で3度目の参加。
そして3種類目の参加はボランティア。
通常はエントリーフィーを払って、レース会場にきて、走ってということになるのだけど、
今年はもう少し深く、それらを支える立場になりたかった。
というより知りたかった。
それはどんな想いでいるのか。
今回ボランティアをすることで全部知れたなんておこがましいことは考えていないのだけど、
以前よりは少し大会への想いみたいなものを知ることができたし、
支える側の大変さ、そしてそのおもしろさ、感動も知ることができた。
これはいろいろなことにも当てはまることだと思っているのだけど、たまには逆の立場になるのもいい。
相手の立場になって考えるだけではなく、そっち側に行くっていうかね。
大会を通して思ったのは本当に笑顔溢れる人が多かったこと。
分岐では声を張り上げ、カウベルを鳴らすことしかできなかったけどみんなが笑顔で通り過ぎていってくれた。
やっぱり頑張っている人たちの笑顔は素敵だ。
最終ランナーの頑張りや一年を通して開催に頑張った主催の方々を見て今年も不覚にも涙してしまった。
たくさんの大会があり選ぶ基準も様々だとは思うけど、
この大会は量ることのできない"想い"みたいなものを感じることができる素敵な大会の一つだと思う。
走ったことのない人、初レースにおすすめします。
僕は来年の6月は既に空けてある。
また何らかの形で関わりたいなと思っている。
[過去の参戦]
スリーピークス八ヶ岳トレイル2015_23K(■)
スリーピークス八ヶ岳トレイル2016_38K(■)