全国から好き者8人が昼の野辺山駅に集まり本沢温泉までの40キロをRide&Push。
BD-1というマシンハンデと林道Pushに四苦八苦し到着した本沢温泉の野天と乾杯の素晴らしさは
久々に何にも代え難い時間だった。
温泉から見上げた空は星の綺麗な夜だった。
Day0(■)準備編
Day1(■)
Day2(■)
Day3(■)①Hike
Day3(■)②Bike
Ride Alive 2017 'TOE to TOP'(■)
Day1(■)野辺山駅(Bike)〜南八ヶ岳林道(Bike)〜本沢温泉
Day2(■)本沢温泉(Hike)〜硫黄岳〜赤岳鉱泉
Day3(■)赤岳鉱泉(Hike)〜赤岳〜横岳〜硫黄岳〜本沢温泉(Bike)〜Dill〜小淵沢駅
※点線はBikeパート
僕のスタートは概ねはバスタ新宿から始まる。
今回の主役になるBD-1を折り畳み、シートポストから荷物を取り外すとこんな感じに小さくまとまる。
この程度荷物なら背負って走るのもありかも知れない。
自転車で目的地まで行くというだけのことにすら久々にわくわくしている。
野辺山駅には12:00集合。
それに間に合わせる為には小淵沢からの電車は11:21のみ。
その前後は1時間以上の差があってどう考えても待つのは無駄と考え10:30くらいに到着するバスで行くと
これが見事に渋滞にハマり高速バスの停留所に着いたのは11:11。
停留所は高速道路の脇なのでどうやっても10分くらいかかるだろう。。
ダッシュで組み立て小淵沢駅まで猛烈に漕ぐ。
目の端には今回のイベントに参加するであろう自転車を急いで車から降ろしているそれらしい人を見かけるが
挨拶したくてもそれどころではないw
駅では折り畳んだりと分刻みの作業が待っている。
急げ!俺よ。
電車出発2分前には乗り込むことができ流れ落ちる汗を拭きながら安堵していると、
先ほど小淵沢駅駐車場でなにやらチャリンコを積み降ろしている面々がいるなと横目に見えていた連中が
これまた僕と同様に猛烈ダッシュで続々と電車に乗り込んでくるw
はぁはぁと息をついてw
しかも輪行袋も付けずにナマのチャリンコを肩に担いでw
これが今回旅する綿々とのファーストコンタクトだった。
Simworksもんじゃさん、Circlesタカさん、タカダさん、アキヨシさんの4人
残る4人には野辺山駅で会えるのだろう。
電車の中で微妙な挨拶を交わした我々はなんとか電車の時間に間に合ったことに安堵しながら駅を出た集合場所へ。
来る途中バスの中で本人のSNSを通して知ったのだが、夏目さんはマイバックパックを新宿で電車に忘れてきたらしいw
普通その時点で今回の旅を諦めそうなもんだけど、そのあたりが違う。
新宿からのあずさに乗るのを諦め都内の友人から2泊分の道具一式を借りてしまう。
そして大きなタイムロス無く到着してしまうという。
すごいリカバリー力!
ま、とにかく大きな問題なくほぼ時間のロスも無く到着してくるというミラクルな登場の仕方で夏目さんに遭遇。
なんだかヒーローに見えてしまうくらい。
お久しぶりです。なにごともなく旅が続けられそうで良かったです笑
実際はなかなかココロにダメージがあったとは思うけどね。。
もちろん荷物は後日見つかったそう。
何はともあれ夏目さんにも会えたしみんなも俄然テンション上がってた。
電車降りてから会うことができた二人は、僕と同じ東京からやってきたMTBとハイクのどちらもやっているサイトウさんと
Rapha Japanのヒロさん。
これで全部で8名。
平日に40近いオトコ達が8人も揃うなんてなんだよ笑
そして天気も予報通りめちゃいい天気。
いやぁ、最高ね。
みんな揃ったし、簡単に自己紹介してこの辺りでちゃんとご挨拶。
そして気になるみんなのバイクは当然ミニベロではないw
みんな挨拶を終え、取り合えずここから山へ向かう道でのラストコンビニへ向かう。
ラストコンビニまでの数100mくらいでちゃっかりトラブル。
誰かは「パンッ」って空気圧高め過ぎていきなりパンク。
僕自身のトラブルはストックのストラップが絡んでフレームバッグ破損。
ここで普段使うことの無いエマージェンシーが役立った。もっておいてよかったよエマージェンシー。
針と糸と安全ピンで急遽補修。ナイスリカバリー。
さて。
気を直してコンビニから出発。
ここからは30〜40キロのほぼ登り。
いやぁ。サイコーサイコー。
普段は山を麓から見ることなんてほとんどない訳で。
だって、バスなのか電車なのかで麓に到着していることがほとんどだもんね。
この「山に向かう」って感じるとこがとてもよかった。
みんな口々に「サイコーサイコー」と言いながら笑みがこぼれる。
なんせこの日は平日水曜日の真っ昼間だもんね。
なんならビール飲んじゃいたいくらいだった。
もちろん山へ向かっているので登りばかりということもありこの苦悶の表情になる。
それでもみんなのバイクと自分のバイクの差が徐々に分かってき始める。
26cやなんかと比べれば18cは明らかに非力だ。
なんというか坂道でのラクラクさとでも言えばいいか全くそのあたりの性能が違う。。
しばらく行くと道はグラベルになり足下も悪くなる。
こんな風に僕一人が写真に写っているということは要するに遅れているということだw
楽しそうにはしているがだいぶ遅れている。
18cのBD-1にとってはちっちゃな石ですらまぁまぁな障害物になり得る。
タイヤの大きさがここまで影響するとは思っても見なかった。
MTBのみんなはある程度余裕を持って走れていてその能力差は歴然。
正直羨ましい。
が、ここでくじけてなるものか。
黙って漕ぐしかない。。
[グラベル(Gravel)]
一般には砂利、砂利道のことを指すが、モータースポーツ用語 ではラリーコース中での非舗装路面一般を指す。 対義語はターマック。類義語として ダートがある。Wikipedia
夏目さんもサイコーな顔してる!
ずっとサイコーサイコーって言ってたもんな。
みんなから遅れて到着するとお待たせしてしまっていたようでみんなも出発。
なかなかシビレる時間が続く。
でも、楽しい。
ハイキングとは違った、なんというか移動の楽しさと、道具を使いこなしている楽しさというか。
だから、みんなかなり高額のバイクを乗っているのに誰も「ちょっと乗らせてよ」なんて言わないのだ。
ハイキングなら、ちょっとバックパックを背負わせてもらうことなんか普通にあると思う。
僕が思うに、要するにみんな”自分のバイクこそがサイコー”なのではないだろうか?
それぞれにとってそれぞれのサイコーがあるのだろう。
そして、ここ八ヶ岳が地元であるヒロさんとは分岐途中でお別れ。
でも3日目のDILLでの打ち上げで再合流予定だ。
僕たちはここからは7人の志士で、漕ぎ、歩く。
登れば下りはやってくる。
山だから当然アップダウンはあるのだ。
登ったあとの下りはどんなんかと思っていたら、ものすごくギャップがあってめちゃくちゃサイコー。
BD-1は他のMTBと違って突き上げをかなり食らうけど、そのスリルとスピードと相まってメチャクチャおもろい。
おもろいぞ!山のチャリンコ。
下りは横滑りや大きな石でヤラレナイようにコントロールするので精一杯なんだけど、
真夏の山の中、頬を切る風の気持ち良さは何とも言えない。
森の中、通り過ぎる車もなく石をタイヤが弾く音と自分のゼイゼイとした息だけが聴こえる。
ここ南八ヶ岳林道は地図の通り八ヶ岳と平行に走っている。
徐々にではあるが標高を少しづつ上げる毎に気温は下がってきて漕ぎやすくなってくる。
そして野辺山駅を出てから4時間程経った17:30くらいか。
ようやく南八ヶ岳林道と本沢温泉へのトレイルの合流地点へ到着。
残るは本沢温泉への登りのみ。
なかなかいい時間になってきた。
さ、いってみよ。
砂利や小石もほぼないトレイルへ入っていく。
タイヤが転がりやすい反面、傾斜が強くてほとんど僕はハイク状態。
こんな状態でもMTB(高価な)は登ることができる。
このバイクの性能差は如何ともしがたい。
上や周りを見ると既に樹木の種類が針葉樹へと変わってきており、だいぶ標高を上げたことが分かる。
しばらくすれば夕暮れが訪れる時間だ。
薄暗くなり、虫の声と、トレイルに落ちた葉を自らが踏みしめる音だけになる。
なんだか山と同化していくような不思議な時間だ。
トレイルではモロに自転車の性能が出て、3つくらいのグループに別れて進むことになったようだ。
誰かを待っても目的地は全員同じなので先に行ける人はビールを飲んで待っていてもらえれば良い。
僕はそもそも遅れ気味だし、夏目さんも少し調子が悪そうだったので同じくらいのペースで押していくことになった。
18:30くらいには登りが終わり、ほぼ水平移動で所々自転車で漕ぐことができそうなところもチラホラと。
僕は前日からのほぼ完徹夜状態がここにきてローブローのように効いてきてパワーが出ない。
なんだかハンガーノックのようになりフラフラとなんとか登っているような感じ。
今まで結構山の中を歩いてきているとは思うけど、久々にここまで追い込まれた感じになってきたw
最後は夏目さんと「いやぁ、かなり追い込まれてますね〜」「キツいわ〜」てな感じの言葉しか出ないくらい。。
普通のハイカーが本沢温泉に行く場合は稲子湯からしらびそ小屋経由で行くことが多い。
だから今回のこのコースは通常は歩くことがないかなり珍しいコースと言えるかも知れない。
どおりで見覚えのないコースだわ。
まわりの樹々が真っ黒になり、空が段々と色を失っていく頃にはヘッドライトを取り出し、
自転車のライト共に先を照らし僕たちは八ヶ岳のナイトトレイルを進んだ。
19:00をまわった頃にはしらびそ小屋との分岐を通り過ぎ、
辺りが暗いせいでなんだか見覚えのあるようなないような不思議な間隔の中川を渡るとテン場へ到着した。
いやぁ、疲れきった!
本沢温泉につくと先着組が待っていてくれた。まずは乾杯。
そして、後続組が来たところでまた乾杯。
今日のみんなの労をねぎらい、笑顔を弾けさせた。
久々に追い込んで疲れ切ったのでこの日のビールの美味さったらなかったな。
ホント美味かった。
そして、ここ本沢温泉でやらなけりゃならないのは、そう温泉。
ナイトトレイルをヘッドランプを点けて10分程歩くと野天風呂に辿り着く。
でも酔って歩くと危ない感じではあるので泥酔時はあまりオススメは出来ない笑
満点の星空の下で、山の中の野天風呂×オトコ7人ぎゅうぎゅう詰め。
なんてロマンチックで部室的なシチュエーションなんだ笑
もうそんなんだから、大して話してもいないのにこの風呂に入るまでには
7人全員の間には「仲間」という関係が出来上がっていた。(と僕は思っている)
「同じ釜のメシ」とか「同じ湯につかる」なんてことは仲間の連帯感を生み出すなぁ。
ずいぶんとみんないい気分になってテン場に戻ってきた。
体を酒と湯でポカポカにした後はそりゃメシ。でしょう?
それぞれの寝床を素早く張って、それぞれの持ってきたメシの用意を車座になってする。
もう疲れ過ぎて、腹が減り過ぎて寝床チェックなんてできたもんじゃない。
早く食べたい!
僕はみんなでつまむ用に無印のチリコンカンにコンビーフと家から持ってきたスパイスを煮込んだものを用意。
脂と塩気がグッときて美味い。
みんなにもそれなりに好評だった模様。
あとは定番の米炊き&レトルトカレー。
夏目さんは今回の旅のおつまみ王だったw
クスクスを塩とスープで戻し、オイルサーディンとその油とオリーブかな?これも美味かったな〜
3年くらい前に北アルプスを縦走した時のクスクスに口が飽きるという恐怖症は一気に晴れた。
クスクスには油が必要ってことを身をもって体感したね。
美味いわ。
他のみんなはビバークレーションや乾麺など比較的重量的に軽めのもので意外と食にストイックな印象だったかな。
それでもやはりみんな酒飲みということもあり乾物がメシ袋から出るわ出るわ。
やっぱり山の中でみんなで車座になって飯を食うというのはホントにいいね。
心底楽しんだ。