3日目。
うおっ。
まさかとは思ったけど、この先って雪??
微妙??
完全にリサーチ不足が露呈する。。
Day1(■)
Day2(■)
Day3(■)
Day4(■)
Day5(■)
SectionA(八方尾根~親不知)(■)
SectionB(八方尾根~上高地)(■)
今日のルートは、
白馬頂上宿舎(テン場)~白馬岳~鉢ヶ岳~雪倉岳~水平分岐~朝日小屋(テン場)
こんな感じ。
朝日岳までいけるようならどこかでビバークでもするかな。
て、この時はそう思ってた。
それにしても、白馬からみた朝日岳方面の雪の状態が心配になってきたぞ。。
4:30に目が覚め、身の回りの片づけをしておく。
あとでもう一度登りかえすのはわかっていても、
せっかくなので白馬岳ピークへ朝陽を見に登ってきた。
今考えれば、朝日に間に合うようにテントも畳んで、
すべて荷物をかついで上がるべきだったかも。
5:00過ぎの白馬岳から眺める朝陽。
なんにせよ、暗い中登った甲斐あって御来光には間に合った。
今日は若干雲が多いが、それでも何度見ても一日の始まりとなる朝陽には、
なにか感動するものがある。
素晴らしい朝。
朝陽を眺めた後はさっさとテントを畳みにテン場へ下りて、
荷物の整理をする。
ビールをご馳走になった方は既に出発済み。
そして、先ほど登った道を朝のように登り返す。。
やっぱ、朝そのままいくべきだった。。
8:00前に、再び白馬岳ピークに到着。
白馬岳から見るとひときわのトンガリを誇る劔岳が見える。
やはりかっこいい。
いつかは必ず登りたい。
白馬岳から左手に伸びる尾根の奥に有名な大雪渓がある。
その先は白馬尻荘だ。そこにもテン場がある。
これからいく三国境の方へ目を向けるとその右側に白馬主稜がある。
冬時期にしか登れないエリアだ。
そして、picを見てもらいたいが、
恐竜の背骨になっているようなこの白馬主稜を登ってくる人がいる!
というかピークにはつい今しがた登ってきた人もいたので
少し話をしてみた。
こういうのがなんかハイクっぽい。
白馬主稜は下から8峰~ピークの1峰につながっている。
そして、ここは雪の季節のみアルパインスタイルで登れる場所なのだという。
上から見た人たちはこの恐竜の背骨のような場所を登っていた。
ピークで会った人は確かにそれぞれハーネスやらロープやらをぶら下げた
「ザ・山の人」ともいうべき、正しきアルパインスタイルの出立ちだった。
僕が主稜を身を乗り出してみていると、
「そのかっこではやめとけ」というようなことを言われてしまった。
いやいやいけないってw
こんなとこ登れるなんてスゴイ。。。
8:00過ぎ。
白馬岳のアルパイン先輩たちへ別れを告げて、次の目的地の朝日岳を目指す。
もちろん手前の雪倉岳などによってその先は見通すことはできないのだけど、
なんか、、、、
雪っぽくない??
履いてるのはトレランシューズにアイゼンの代わりにチェーンスパイク。。
大丈夫か??
とりあえず今見えている範囲では特に問題なさそうなので三国境へ向けて歩き続ける。
この稜線は格別だ。
気持ちよすぎる。
途中、雷鳥にも出会い、ほっこりタイムを味わった。w
鉱山分岐を過ぎたあたりで、白馬特有の真っ白な貝殻石のような白い地面から、
緑がかったグレーな地面に変化してきた。
硫黄か何かの成分があるのだろうか?
10:00頃、雪倉避難小屋に到着。
谷側から吹き上げてくる風に備えて石壁が設置されている。
入り口を開き中をのぞいてみると、
窓から光が入ってかなり居心地のよさそうな山小屋だった。
まだ10:00過ぎでまだまだ歩く予定なのでもちろん自分には必要ないが、
這う這うの体で辿り着いたハイカーにとってはこのシェルターは天国かも。
真冬の強風の中、避難小屋泊りなんて天国過ぎる。
雪倉避難小屋から1時間程で、いくつかの偽ピークに心傷つきながら雪倉岳ピークに到着。
避難小屋からからは1組のパーティーがいたが、僕と同じ朝日岳を目指していた。
そして雪倉岳ピークへ至るトレイルは地面が雪でぬかるんでいて歩きづらかった。。
お、まだ大丈夫。
でも明らかに奥は雪じゃないか?
うーーむ。。。。
雪倉岳から1時間。
12:00くらいには雪のトレイルがあらわれた。
はいはい薄々気づいてました。。
ここからは雪のトレイルですよねー。
若干装備が甘かったですよ。。
とりあえず保険で持参したチェーンスパイクを装着。
この段階ではまだ「短パン+スパッツ」で問題なかったが、
いずれいるだろうとレインパンツを上から履きなおした。
13:30。
ツバメ平ら辺にきてもずっと雪。
既に完全にスノートレイル。。
よし。
覚悟しましょ。
戻ってもしょうがないし。
ツバメ平から延々とツボ足でズボズボと進んでいく。
15:30ごろ朝日岳の麓、水平動分岐というところへ着き、そびえる朝日岳を眺める。
慣れない雪に足を取られ、だいぶ疲れ切っていた。
途中、このルートで初めて人に会った。
そのおじさまは栂池から入山して、今回が2回目の挑戦だという。
少し話しながら歩き、途中で別れた。
ここでなぜそう思ったのかわからないが、
目の前に立ちはだかる朝日岳にうんざりしたのか、
「携帯の充電をしに朝日小屋へ向かおう」という信じられない判断をしてしまったのだ。
今考えてもなんでそんなことを考えたのかわからない。
確かに携帯では歩いた軌跡をトラッキングしていて、
充電が切れればトラッキングできなくなるということもあったが、
だからそれがなんなのだ?
でもその時の自分はきっと朝日岳を直登することから逃げたくなっていたとしか思えない。
この時は小屋は営業しているものと思い込んでいた。(←なんで?)
朝日岳直登手前の水平分岐から左手に入っていった。
足下はノートレース。
「白馬水平道」へのルートで朝日小屋を目指すことになる。
白馬水平道は実は冬季は閉鎖されていたのだ。
マップにもしっかりと書いてある。
でも、なんとかいけるだろう(←ここも判断がおかしい)と思い先に進んでしまった。
冬山は積雪によってトレイルから外れることが多くなるが、
その通りトレイルを外れてしまいて、
携帯GPSと地図をみて現在いるところと、小屋の標高が同じことに気づき、
なるべく下らず、同じ標高を保つように心がけて進んでいった。
途中、白馬水平道には3つほど大きめの谷を越えなければならないところがあり、
夏道であればトレイルが険しくとも越えられるのだが、
冬季の場合はそうはいかない。大きくトラバースすることすら困難だ。
持っていたストック(今回、ピッケルはもってきていない)を最小限の長さまで縮めて
ピッケルのように使って滑り落ちないよう雪に刺しながら工夫して歩いた。
しかし、それも上手くいく場合ばかりではなく、
10mほど滑落したりしてかなり危険な目にもあった。
水平道と朝日小屋の中間地点らへんで、ここは下りて行けばいいところという場面に出くわし、
ここでも何故なのか理解に苦しむ行動をしてしまった。
下りるのが面倒になってしまい、わざと自分でシリセードのようにして滑落してみたのだ。
1度は上手くいって5mほどでとまった。
そして、なんか楽しかった。w
2度目はかなりスピードが出てしまい、
雪の窪地に引っかかって止まるということが起きてしまった。
その時、左足の膝が、普段曲がらない方向へまがり、耳の奥で「ピキッ!!」と鳴った。
「うわーーーー(心の声)」
一瞬ものすごい痛みに襲われ、骨が折れたかと思って左足内側をさすってみるが
幸い折れてはいない様だった。しかし、立とうとすると激しく痛む。
やっちまった。
とりあえず動けないということはないが、今までのように普通に歩けるということでもない。
その窪地で十分に膝をマッサージするが、そう簡単に治るようなものでもない。
そして、時間は既に16:30近くなっている。
あと2時間もすれば暗くなるだろう。
なんだか急に現実感が迫ってきて怖くなった。
この状況、下手したら遭難だ。
そしてさらに、携帯も通じず、自分を探すものは誰もいない。
ヤバイヤバイ。。
足は痛いが、取合えず小屋まで。
とこの時点では考えていた。営業なんてしてるわけないのに。。
とにかくここからは時間との勝負で、なんとか痛い脚を引きずりながら
小屋と同じ等高線を守って歩くことを心掛け、少しずつ移動する。
この時頼りになったのは携帯のGPSと「山と高原地図」アプリ。
これのおかげで自分がどの位置にいるかがわかって助かった。
なんとか視界に小屋を確認し、目指すべき場所を定めることができて、
これでひとまず助かったと思った。
この時は当然小屋が営業しているものと思い込んでいたので、
近くに来て、小屋閉めしているということがわかったときの落胆はハンパじゃない衝撃。。
今考えればそりゃ人も来ないとこで小屋開けていてもしょうがないわけで、
思い込みは怖い。。
痛い脚を引きづりながらなんとかテントをたてて暖かいものを飲めたのは17:30をまわっていた。
あと少し遅かったら暗闇の中の行動になるところだった。
危なかった。。
とにかく、シェルターに入りエネルギーを蓄えるために食事の用意をした。
ミートソースパスタを食べたら少し体も暖かくなって、落ち着いてきた。
シュラフはモンベル#3+エスケープビビィ。
八ヶ岳の-10℃を経験しているが、果たして眠れるのか?
横になって足を伸ばそうとすると激痛が走った。
それをなんとかしのいで反対側に体を向けようにも足が痛すぎて寝返りも打てない。。
この時の寂しさといったら言葉にできないものがあった。
本当に絶望を感じた。
明日から本当に歩けるのか?歩けなかったら??
怖い怖い。。。
食事も出来たし、まぁ、とにかく寝よう。
とりあえず休んで体力を回復することが先決だ。
18:00頃暗くなり始め、20:00ごろ疲れ果てて眠った。
でも、怪我をしてしまった体では、
この「休む」ということがとても大変ということに初めて気がついた。
夜中、痛みと寒さで何度か起きたが、
疲れからかなんとか眠ることができた。
明日はどうだろう。。
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