信越トレイルとは?
『長野・新潟の県境に位置する標高1,000m前後の関田(せきだ)山脈のほぼ尾根上に延びる全長80kmにおよぶ国内でも稀なロングトレイルです。ブナ林 に育まれた自然豊なこの山脈は、かつて信濃と越後を結ぶ交通の要所として16もの峠道が存在し、越後からは塩や海産物が、信濃からは内山和紙や菜種油が運 ばれ、戦国時代には上杉謙信が川中島の合戦の際に何万もの兵を連れて峠越えをしたとも言われています。トレイルの整備や維持管理はNPO法人信越トレイル クラブが主体となり、周辺地域のボランティアの方々の協力によって行われています。』
自分はHiker'sDepotをはじめとして、様々なところでロングトレイルのカルチャーに触れる機会があり、
ロングトレイルを歩くということにかなり興味があった。
長い休みを取るチャンスがあれば是非いろいろなところでチャレンジしたいと思っていたのだ。
そんな想いもあり、自身で計画した北アルプスSectionA、北アルプスSectionB、南アルプスSectionA
などを試してみたりしていた。
特定非営利法人日本ロングトレイル協会なる組織もあり、日本中のロングトレイルが少しずつ増えている。
特にこの「信越トレイル」に関しては、官民、有志、ボランティアの手によって
体系的に整備されたとても良いトレイルと噂を聞いていたのと、
日本におけるロングトレイルカルチャーの伝道師ともいわれる加藤則夫さんの著書にも触れている者として
いつかは歩いてみたいと狙っていた。
果たして何泊以上、何キロ以上ををロングトレイルというのかはわからないけど、
まぁ、80㎞歩けば十分ロングトレイルでしょ。
1セクション10数キロが6セクションに別れたトレイルをを通常は4泊5日程度で歩くところ、
今回は今までの経験を踏まえて少しペースを早めて2泊3日で歩ききる計画とした。
0日目。
2週間前くらいに長野行のバスを予約していたが、7月の前半なんてまだ梅雨の後半。
晴れ予報にならないかと予報をいくらみても変わらず。。
やきもきしていろいろと検討しても良い場所も見つからず、
ここまできたら行くしかないでしょ!ということで半ば勢いで出発。
長野へは新宿21:15発-長野00:58着のバスで。
駅で前泊なんてはじめてだが、翌日朝から歩くにはこの方法しかなく、
Picの通り雑魚寝を決め込む。
長野駅は最近全面リニューアルしてかなりきれいになってた。
ただ、リニューアルした駅は自動エスカレーターの音声がうるさすぎて寝る気にもなれなくて
うろうろしていたら、隣の棟の非常階段下にナイスな場所を発見。
石貼り仕上げが冷え冷えでキモチイイw
ラーメン食ってビール飲んで3:00過ぎに就寝。
翌日、というかあと2,3時間後には始発で森宮野原に向かう予定。
さ、寝よ寝よ。
わくわくが止まらない。
1日目。
1日目のコースはこんな感じ。
森宮野原駅~栄村登山口〜天水山〜深坂峠〜野丿海峠〜菱ヶ岳テントサイト
5:14の長野からの電車でゆらゆらと揺れながら6:58に森宮野原に到着。
ここは駅舎があるだけであとは線路となっている。
都会からきたらちょっとびっくりかもね。
7:00過ぎに駅舎をスタート。
いよいよ信越トレイルの始まりだ。
正規ルートは駅舎を背に右側へ登山口である栄村口まで車道を歩く。
自分は事前に調べていたある方のブログで、オルタナティブルートなるルートをとることとして、
正規ルートの逆の左側へまわるルートをとる。
そのルートは地図を眺めていてこちら側からいけるかな?
と思っていたところだったので勘が当たってうれしい。
若干の遠回りとなるが、道中は森に囲まれた林道歩き。
林道もすぐに飽きてしまうような場所だけど、
それでも車道7キロとどっちがいいか?となればもちろん林道となるわけで。
林道からは近くの田園が臨める。
今日は雲が多い。
この旅で雨降るかもしれないので覚悟しておかなければ。。
信越トレイルは、南下ルートを取った場合、
駅の250mあたりから天水山1088mまで登り切ってしまえば
あとはずっと1000m台の稜線上を細かいアップダウンを繰り返して歩くルートになる。
梅雨時期のこの時期、足元はフカフカトレイルと水たまりエリアのどちらかで
きちんと見極めながら歩かないとハイク中ぐちょぐちょのシューズで歩くことになる。
ジャングルめいたトレイルを抜ければブナトレイルに入っていったりと、
高度の問題なのか植生分布のループを繰り返しながらトレイルを進んでいく。
雨予報の中8:00時点の林道歩きでは、晴れてきて恐らく28℃近くにまであがっていたが、
時間が経つにつれ標高を稼いでいくので気温は思ったより高くなく、20℃~25℃くらいだったんじゃないかな?
森の中はなかなか涼しく、歩きやすかった。
10:30頃。
本日の第一関門になる天水山に到着。
ゆっくり歩いて3:30くらいで到着したみたい。
コースタイムより少しだけ早い感じ。
今日は初日だし、行先もそこまで遠いわけでもないのでゆっくりと歩くことを決めていた。
天水山から下界を見ながら山ランチ。
縦走の途中でランチなんてここ数年では初めてのこと。
時間に関してもいつも歩けるギリギリで歩いてしまうのでランチを摂るなんてことはほぼない。
いいとこバーや行動食なんかで済ませてしまう。
今回のポイントは「山で野菜」。
いつも買うパンと、サラダ菜とハム。
そこにマヨネーズにガーリックバターなんか付けてね。
コーヒーとサンドウィッチ休憩してみたが、元気出る!
これは悪くないかも。
11:00過ぎ。
30分程休憩したところで再び森に入っていく。
またブナの美しい森とジャングルループを繰り返す。
今日は雲の位置が低く、少し霧が出てきた。
嫌な予感がする。。。
信越トレイルで歩いて感じたかったのは、トレイル整備について。
普段から国立公園である山を歩いて感謝しつつも、整備にあまり気を留めることが少ないのだけど、
信越にはNPO、ボランティアの手がとても多く入っている。というか、
そういうストーリーを知っていることで気を留めていたのかもしれないけど。
もちろん自分の意識の問題なので普段歩く山や整備に関わる人にに対して悪気はありません。
スリーピークス八ヶ岳でも感じたことだったが、
そういう想いを感じながら歩くのはとても気分の良いことだと思った。
なんというか、大事に歩けるというか、感謝が先に立つというか。
上のPicももちろん手が入っている。
ここまで歩いてきて、ここを刈る道具を担ぎ、ここを刈る。
その時間や疲労を想像するだけで頭が上がらない。
まだまだ時間もあるのでPicを撮りながら遊ぶ。
この日一番デカいんじゃないかと思ったブナ。
でかい。
通常のハイクではピークハントか、ピークとピークを結んだ稜線歩きとなるが、
信越トレイルの特徴には、そこに峠(PASS)を越えていくということがある。
車道によって山に一区切り付き、そこで一つのセクションとなっている。
車道が通っていることでエスケープルートが取りやすかったり、セクションハイクができたりする。
その側面を経験するのもおもしろくおもえた。
12:00過ぎに深坂峠に到着したあたりから
またもや雲行き怪しく霧が立ち込めてきた。
霧の中を歩くのはなにか夢心地のような感じだった。
ここにもまちがいなく人の手が入っている。
水が抜けないところを人が通ってしまうので地面がえぐれるのを防いでいるんだと思う。
霧立ち込める中、野々海峠を越えてその途中、廃道となった道を下っていく。
今年の7月1日から試験運用になった菱ヶ岳テントサイトへ向かう。
ここは南下方向からみると野々海テントサイトの次となり、
今回のように光ヶ原キャンプ場まで足が届かない場合に重宝する場所だと思う。
この廃道だが、足元滑るし、急坂だしで足元はかなり悪い。
20分程下ると普通に歩けるようなトレイルとなり再び霧の中へ吸い込まれていく。
こちらは整備の手があまり入っておらず、野性味溢れるトレイルだが、
これから整備されていくんだろう。
細いが小川も流れていて、水がないという時には重宝する。
もちろん浄水器で濾過する必要はあると思うけど。
水に困ることが多い僕はソーヤーミニは必需品になっている。
14:30頃。
1時間程歩きジャングルを抜けるとそこにはぽっかり開けた霧の広場がw
登山者やスキー場のリフト乗降場の広場を利用者がいるときのみトイレを開放していて
キャンプ場として使用できるようにしたみたいだ。
当然ながらリフトの設備が時々猛烈な音を出すが、場所的にはかなり気持ちがいい。
ちなみに、信越トレイルには4つのテントサイト+2つのキャンプ場がある。
どちらも事前予約制。(基本的にキャンプ場も)
そこに新しく加わる今回の菱ヶ岳テントサイトだけは電話予約が必要。
トイレを開放するのにリフト会社の人が扉の鍵を開けるのだとか。
徹底して植生保護に努めている。
いくかいかないかわからない。どこまであるくかわからない。
なんてのんびりいつも考えている僕にとってはこの事前予約がかなりハードルが高く感じたのだけど、
今回ばかりはぎりぎりになって予約だけをしておいた。
管理人などはいないので料金は利用後の支払でも構わないという。
こういう対応はほんとありがたい。
この菱ヶ岳テントサイトはリフト乗り場でトイレもあるし、
5分程下れば「どんどん清水」という小川に到着する。
ここで必要になる水を確保することができる。
浄水器は必須アイテム。
霧の立ちこめる誰もいないサイトにテントを張る。
毎度のことだが、家を出るのが超絶バタバタで30分でパキンして家を出たらバスギリギリとなってしまった。
バスに乗り込む時にハタと気がついた。ポールがない。。
一瞬バスに乗るのもやめようかと思ってしまった程。。
取りあえずのってから考えることにして、現地で調達するしかないと決めた。
僕のテント、LocusgearのKhufuはAフレームでポールを使って建てるのだ。
ま、忘れちゃってね。
というわけで、歩きながら良さそうなネイチャーポールを物色して
初のワンポールで建ててみた。
意外と気に入ったよ。
でもやっぱりAフレームにしないとじゃまだなぁ。
この素朴な佇まいは気に入ってる。
最近クッカーまわりも買い替えた。
再販を待ちわびていたロータスのアルミポット。
今まではBATCHSTOVEZのCook potsを使っていたのだが、
これはこれでザック内のしまい寸法が小さくなり良かったのだが、
僕の夜の楽しみのレトルトパック&米1合を温めを含めて炊くと、
ギリギリ過ぎて溢れ出してしまう。
そこで焚火にも使えて、ツルも使えてと魅力的な佇まいのこちらに変えたのだ。
ちなみに今までのクッカーの変遷としては
Greece pot(900ml)116g
⇒BATCHSTOVEZ(500ml)95.5g
⇒Lotus Almi pot(650ml)139g
重量は大して変わらない。
でも使ってみるとそれぞれ一長一短あっておもしろい。
焚火愛好家としてはいつでも焚火装備を備えておくということにしようと思っているため、
焚火にそのままかけられるLotus Almi pot(650ml)139gに軍配が上がっているという訳。
そして下にあるゴトクとして使っているのがPicogrill85。398は通常焚火として使っているのだけど、
この85は普段のハイクから装備して、スキあらば焚火をしてやろうかと思ってるから。
これが焚火したバージョン。
今までゴトクとしては、USAの固形燃料用の五徳の「VERTEX ULSTOVE」を使ってた。
固形燃料だけじゃなくて風防にも使えて、かつ焚火もできる。
でも設置台パーツを抜いちゃうとあんまりうまくなくて湯が沸いたと同時に崩壊したりして
ハイクする度に不満があったのだ。
今回のpicogrill85は焚火性能もかなりいいし、重量も35g増程度。
風貌&ゴトクとして使うと若干アルストを嵩上げしないといけないけど、
今のトコは順調。
※こちらは信越トレイルではありません